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12、1月まとめ② バラナシ

 前回に引き続き、今回は三泊四日のバラナシ旅行について書きます。
 19日の昼にラクナウ駅を出発して、およそ6時間でバラナシに到着しました。今回も2等車でした。駅を降りての第一印象は思った以上に都会。サウスデリーでも見るようなハイソな店もしっかりありました。一応ラクナウと同じくウッタル・プラデーシュ州の街ではあるのですが、州都であるラクナウ以上に発展しているように感じました。宿に向かいながら歩いていると、ちょうどガンガー(ガンジス川)でのアールティの儀式が終わったときだったようで、ものすごい人の波にもまれました。今回の宿は日本人宿のサンタナです。初めてドミトリータイプの宿に泊まりました。初めは結構不安でしたが、同部屋の皆個性的で面白い人たちでしたので、とても楽しかったです。
 翌早朝に、同部屋の皆とガンガーを見に行きました。この時期の早朝のガンガーは深い霧がかかっておりとても幻想的に見えます。朝日の光がガンガーの水面に映る様子はとても印象的でした。普段感情的にならない僕でも、涙が出そうになりました。さて、一緒に来た同部屋面子の何人かガンジスで沐浴しました。ガンガーの沐浴は自分のすべての罪を洗い流すとされている行為です。僕も罪は洗い流したかったですが、同時に胃腸の内容物が洗い流されるのを避けたかったため、控えました(笑)。その後は単独で、南の方まで岸辺に沿って歩いていき、そのあとはバラナシの北にあるサールナートという、釈迦の初転法輪の地、仏教の聖地のひとつに行きました。
 サールナートはバラナシの混沌とした感じとは違い、静かで落ち着いた場所でした。各国の仏教寺院が点在しており、観光客もまた国際色に富んだ場所でもありました。タイのお寺とミャンマーのお寺、それから日本のお寺に参詣したのち、サールナートの博物館に行こうとしたのですが、まさかの休業日。これは完全にこちらの調査不足でしたので、不覚を取りました。皆さんも、金曜日にサールナートは行かないようにしましょう。

釈迦の初転法輪の様子

 サールナートの後はnamo ghatと呼ばれるバラナシの北の方のガート(ガンガーの岸)に行き、そこからホテルの近くのdashashvamedh ghatまでガンガー沿いを歩きました。ガンガー沿いは街中や路地とは違い、人もそこまで多くなく歩きやすいのでお勧めです。個人的に評価の低いラクナウの後に来たからか、バラナシはとても楽しく、歩く足が止まりませんでした。結局、昼下がりにホテルについた後、今日歩いた距離を確認したら、まさかの16kmとの表示。さすがに同部屋のみんなにも驚かれました(笑)。
 その後は、dashashvamedh ghatのアールティを見ました。日本にいる時に、アールティに関連する歌を聞いたことがあったので、今回それを生で聞いてとても感動しました。

人々がガンガーに向けて祈りを捧げる

 アールティが終わった後帰宅し、夕食はサンタナで唐揚げトマトパスタをいただきました。デリーではこんなの食べることは基本ないので、普段以上に美味しく感じた気がします。その後は同部屋の皆と各々の旅の話を共有し、寝ました。
 2日目、まずはバラナシでも屈指の名所であるmanikarnika ghatへ火葬を見に行きました。この火葬は個人的には非常に印象深い瞬間でした。今後書くであろう卒論に関わるかもしれません。その後はbunny cafeという日本人の方がやっているカフェに行き、カツ丼を食べました。美味しかったです。その後はサンタナの近くのbaba lassiで普通のラッシーを飲みました。濃厚で美味しかったです。この日やったことはこれくらいで、昨日の長距離ウォーキングのせいで疲労と足の筋肉痛に悩まされていたゆえ、そこまでアクティブには動きませんでした。 
 3日目、この日は街ブラに時間を費やしました。まずはblue lassiという店で再びラッシーを飲みました。2日目のbaba lassiもそうですが、バラナシのラッシーはドリンクというよりむしろヨーグルトに近く、非常に硬く濃厚なのが特徴だと感じました。
 その後はharishchandra ghatで現地の人や、他の国の旅行者たちと話しながらのんびりしました。ここもmanikarnika ghatほどではないですが、火葬が行われているガートの一つで、個人的にはこのガートの方がより落ち着いていて好きです。

我が物顔でベンチを占領するヤギ

 夕暮れ時、今まで散々声をかけられてきてはいましたが、ついにボートに乗ることにしました。とはいっても乗合の安いやつでしたが。ガンガーからバラナシの街を見ると、各ガートの特徴がよくわかるようになっていて、非常に興味深く感じました。そのままmanikarnika ghatまで運んでもらい、そこから徒歩でサンタナに戻りました。
 事件が起きたのは、その途中でした。ジュースでも買おうと思い、その辺りの露店に立ち寄った時、突然横から身長180cm、体重は80kmオーバーと思われるガタイのいい男が僕に抱きつき、尻を揉んできました。そして、自分はゲイだといい、君かっこいいねと僕を誘惑してきました。僕には彼は全く魅力的に映らなかったので、当然拒否し、買い物を続けようとしました。そしたら、ジュース代を払うために僕が財布を出した瞬間、彼はなんとその財布に手を伸ばしてきたのです。さすがに腹が立ったので、鬼の形相でヒンディー語で思いっきり威嚇したら去っていきました。こういうわけのわからない状況に陥ると、人、特に日本人は防衛本能としてニコニコしてしまうことがありますが、それは絶対に避けましょう。舐められます。たとえ自分がそこまで強い怒りを感じていなくとも、戦術として自身の攻撃性を剥き出しにすることがインドでは大切です。あ、もちろん物理的に攻撃はしてはいけませんが(笑)。
 さて、ホテルに着き、夕食を食べ、その後他のサンタナの宿泊客と共有スペースで談笑しました。最初は小一時間で終わるだろうと思っていたのですが、話がどんどん盛り上がっていき、最終的には日が変わる深夜まで話していました。多分この旅の中で最も面白かった瞬間だったと思います。次の日寝不足で旅に大きな支障が生じたのはまた次回の話。

 以上がバラナシ旅行の概要でした。さて感想ですが、これは評価が難しいです。心を揺さぶられるような体験をすることができますが、その一方であのゲイのようなクソ野郎もたくさんいます。人によって好き嫌いがはっきり分かれる場所でしょう。個人的には、一度は行ってみたい憧れの地であったことや、manikarnika ghatで見た火葬が何か重要なことを思い出させてくれたような気がするので、評価は10段階中'8'です。正直一度住んでみたいです。これから何か人生の壁にぶち当たった時、ここに戻ってこようと思います。

火葬場の煙が天へ昇っていく

 次回はブッタガヤーとコルカタについて書きます。


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