[PHASE]を試験開催して #01
今回の[PHASE]。来場者の属性は現在集計中ですが、バイヤー・問屋の方は約2割弱、その他の方々は展示会主催者の方や設営会社の方など、何らかの形で展示会に関わっている展示会関連企業の方々。今回様々な方々とお話をしましたが、どの来場者の方も今回の趣旨に賛同していただき、今後の展示会の在り方に課題を感じ、何かを探しに来ている方々でした。
今回バイヤー・問屋の方々は、当社および今回運営に協力いただいた企業ではお呼びすることが難しかったため、出展者の方々にご協力いただきました。
地方の企業様などは、日頃お付き合いのあるバイヤーさんであっても実際の商品を見ていただき、お話しする、という機会がなかったために、「今回のこの場を利用して見ていただく」ということが出来て良かった、という声をお聞きしました。ZOOMを利用して画面越しに「お久しぶりです!」と再会を喜ぶ姿も多く見られました。
出展者さんに今回お話をお伺いしたところ、商品のみを送って展示をしてもらう、ということはこれまでにもあったそうです。しかし、そのような場合、商品を送っても大きな反応はない場合が多かったとのこと。
今回のように「出展者のいない展示会」を行う場合、何らかの形で出展者と来場者のコミュニケーションを発生させる仕組みが必要なのだと感じます。
今回はタブレットを利用して、通常は事前にインタービューを録画したものをループで流す、という形式をとり、必要に応じて(各社で待機してくれている)出展者にZOOMでつないで会話を行う、という方法をとりましたが。その他にもコミュニケーションをとる方法としては、商品の隣に、簡単な文章でキャプションを置いておく(商品名や値段だけでなく)などのも手法の一つと言えると思います。ただ単に商品を置いてく、だけなく、「伝える工夫」をする、ということが大事なのだと感じます。
出展者がいない展示会で、「効果がない」と言われた場合、出展者がいないことがダメなのではなく、出展者と来場者のコミュニケーション方法がダメ、という点を検討する必要があるのかもしれません。
課題としては、オンラインで通信する仕組み、と今回は感じました。
画面を大きくする、音を大きくする。画面はなるべく大きい方がよいのですが、商品とのバランスが大事。また音が大きくあるべきなのですが、大きすぎると周囲の展示に影響を与えない方がいい。また、バイヤーによっては「聞かれたくないこと」もあるので、場合によっては別室の商談場を設ける、などの工夫も必要なようです。
その他、ネット環境の通信速度も重要。通信速度は会場のWIFI環境に左右されるため、できれば有線で行うことがベター。
オンライン参加の方法は今後改善する余地がかなりあるのですが、今回開催してみて、来場者のバイヤーさんには「集中できる」という言葉をお聞きしました。とても印象的な感想だったのですが、詳しくお聞きすると「出展者がいない分、聞きたい時はZOOMなり電話なり聞くので、その他はじっくりと商品を見れる」とのこと。おそらく「出展者のいない展示会」とはこの感想にメリットがあらわされているな、と感じます。
これまで通りのリアルな展示会形式は間違いなく必要ですが、今回のような「出展者のいない展示会」という形式もあってもよいのでは、とその可能性を大きく感じました。
また、WITH/WITHOUTコロナに関係なく、今後の展示会ブースの在り方として、オンラインの積極的な活用、共存はかなり有効で、リアルブースであってもどんどんこのような型式を取り組んで「新しい形式のリアルブース」の計画をしていってもいいのではないでしょうか。