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「欲」と「自己保存本能」について
「欲」と「自己保存本能」の強さで自分や他人の行動を分析すると、ある程度うまく整理できて、かつ自分の中の課題解決の道筋にもなるからやってみる。ちなみにこの「欲」と「自己保存本能」の考え方は、USJをV字再建後、株式会社刀を設立し大活躍している戦略家・マーケターの森岡毅さんから来ています。
参照:森岡毅(2018)『マーケティングとは「組織革命」である。』日経BP
森岡毅(2020)『誰もが人を動かせる!』日経BP
1.欲と自己保存本能の強さによる分類
a) 欲が強く自己保存本能が強くない人
「〇〇を成し遂げたい!」という強い思いを持ち、かつリスクをとることを厭わないタイプ。起業家を始め、社会的に成功している人はこのタイプの人が多いように思います。
例えば堀江貴文さんは、自分がやりたいことが明確で、失敗や批判をまったく恐れない。だから強い。
b)欲が強く、自己保存本能も強い人
リスクをとることへの抵抗はあるが、「〇〇を成し遂げたい!」という強い思いにドライブされて行動を起こすタイプ。
例えば食べチョクを運営するビビッドガーデンを起業した秋元里奈さんは、周りから起業すると思われないタイプだったが、「生産者を支えたい」という強い思いから起業したとのことです。
c)欲が強くなく、自己保存本能が強い人
「これを成し遂げたい」という大きい目標はなく、かつリスクをとることへの抵抗があるタイプ。一般人の多くがこのタイプなのではないかと思います。
例えば就活の際に自分のやりたいことが明確に決まらず、かと言って片っ端から会社訪問するようなバイタリティーはない人たち。
2.タイプによって考え方は大きく異なる
欲が強く、自己保存本能が強くない成功者にしてみれば、「世の中の人はなんで自分のやりたいことをやらないんだろう、なんで大したことないリスクをとれないんだろう」極端に言えば「失敗したら生活保護受ければいいじゃん」と感じる、しかしそのタイプでない多くの人にとってはそんなことは到底思えないのではないかと思う。自分が人生をかけてやりたいことなんてそう見つからないし、失敗したり怒られたりするのは怖い。嫌。
しかし今の日本社会の環境的に、欲が強くなく、自己保存本能が強い人が育ちやすいように思う。
要因①成功者にならなくても、ある程度豊かな生活ができる
今の日本では(今後どうなるかは分からないが)社会的に「成功した」と認められるような存在にならなくても衣食住に困ることなく生活できる。「より成功しなければならない」という動機付けは生まれづらい。
要因②学校教育で、必要なものが与えられている
小学校中学校高校大学とレールが敷かれており、各段階で必要なものは揃えられている。学校は「子どものために」勉強環境や行事、部活動を充実させ、子どもが自らの権利獲得のために動かなければならない場面はあまりない。
要因③「無理をしなくてもいいよ」という風潮
もちろん無理をさせて心を病ませてしまうような環境は良くないが、「めちゃくちゃ頑張る」ことを美化するような風潮は、「スポ根」「24時間戦えますか」は極端だとしても、前よりもかなり薄れているように感じる。
3.自己保存本能が強くてもリスクをとるために
それでも成功するため、より良い人生を送るために、リスクをとることは必要だと考えています。元400mハードル選手の為末大さんもリスクをとることの重要性を書いている。
為末大さんはリスクをとれるようになるためには、「リスクをとる経験を積み重ねるしかない」と書いています。森岡毅さんは、そのために「欲を持つことが大事」と書いています。欲を持つことで欲にドライブされリスクをとれる(CからBのタイプになる)、その経験を重ねていけばいつかリスクをとることへの自己保存本能による抵抗が弱まる(BからAのタイプになる)。
しかし、「欲を持つ」ことも「リスクをとる経験を重ねる」ことも、元々欲を強く持つタイプでもなく、自己保存本能が強い「痛がり」のタイプには難しいことだと思います。(森岡さんも為末さんも、若い時から自分を貫く我の強さが常人並みではない)
まずは自分が「欲が強くなく、自己保存本能が強いタイプ」であることを認識するところから始めて、意図的に周囲の出来事を自分事として捉え、小さなリスクをとってみる、それを継続して行うことが大事なのではないか、と考えています。