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資格を取っても売れない?無形サービス提供者が考えるべき戦略
無形サービスを提供していると、「もっと専門知識を増やせばお客さんが来るはず」と考えがちです。
資格を取る、勉強会に参加する……どれも決して悪いことではありません。でも、ここで少し立ち止まって考えてみてください。
「なぜ資格を取ろうとしているのか?」
資格を取れば、たしかにスキルや知識は増えます。しかし、それだけではお客さんが来るわけではありません。なぜなら、お客さんは「資格を持っている人」ではなく、「自分の悩みを解決してくれる人」を探しているからです。
例えば、保険業の人がFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取ったとしても、すぐに契約が増えるわけではありません。なぜなら、お客さんは「FPの資格があるから相談しよう」とは考えず、「この人なら私の不安を解決してくれるかも」と思って初めて相談するからです。
つまり、大事なのは資格ではなく、「お客さんにどう価値を伝えるか」、そして「お客さんが自然と集まる仕組みを作ること」です。
事例紹介:なぜ資格を増やしても売上が伸びないのか
事例1:コンサルタントAのケース
Aさんは、経営コンサルタントとして独立。
「もっと専門性を高めればお客さんが増える」と考え、次々と資格を取得しました。ところが、資格が増えても依頼は増えず、結局売上も伸びませんでした。
Aさんの問題は、「専門知識を増やすこと」と「ビジネスを成長させること」を混同していたことでした。
資格を取ることで自分の実力は上がりますが、それを求めるお客さんに伝える仕組みがなければ、売上にはつながらないのです。
事例2:コーチBのケース
Bさんはライフコーチ。
SNSで情報発信をしながら、コーチングの資格を次々と取得。しかし、「集客がうまくいかない」と悩んでいました。
実際に話を聞いてみると、Bさんの問題は「価値の可視化」ができていないことでした。
「どんな悩みを解決できるのか」「どんな変化を提供できるのか」が明確になっていないため、お客さんが興味を持てなかったのです。
無形サービスが売れるための仕組みづくり
では、どうすれば無形サービスを売れるようにできるのでしょうか?
まず考えることはマーケティングの王道部分から
STP戦略(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)
セグメンテーション(市場の細分化)
自分のサービスが「誰のためのものなのか」を明確にする。
例:「起業したばかりの個人事業主向け」「50代の経営者向け」など。
ターゲティング(狙う市場を決める)
すべての人に届けようとせず、特定のターゲットに集中する。
ポジショニング(どのように見せるか)
競合と比べて、自分のサービスがどう違うのかを明確にする。
4P戦略(商品設計・価格設定・販売チャネル・プロモーション)
プロダクト(Product):サービスの価値を明確にする
例:「お金のブロックを外すコーチング」など、具体的な成果を伝える。
プライス(Price):価格設定を考える
「安い」ではなく、「価値に見合った価格」を設定。
プレース(Place):販売チャネルを整える
SNS・ブログ・セミナーなど、どこで販売するかを決める。
プロモーション(Promotion):知ってもらう工夫をする
例:「無料相談」「体験セッション」を活用する。
売上を伸ばすための具体的な施策
価値を可視化する
「資格」ではなく、「どんな悩みを解決できるのか」を明確にする。
価格戦略を見直す
「安くすれば売れる」という思い込みを捨て、価値=価格を設定。
プロモーションの強化
SNS・ブログ・メルマガ・口コミ、サービスと親和性の高いものを活用し、価値を伝え続ける。
まとめ
資格を持っているだけでは売れません。お客さんが求めるのは「資格」ではなく「解決策」。
仕組みを整えれば、資格が活きるようになります。自分のサービスをしっかり届けるために、何を優先するべきか、もう一度考えてみてください。