アラフォーR5司法試験体験記(短答憲法)
はじめに
こんにちは。アラフォー受験生のボーダーです。
今回は短答民法、刑法に続いて憲法について私の感じたことを共有したいと思います。憲法は私が唯一「足きり」の恐怖に震えた科目です。
なお、私の属性や民法、刑法については下記記事に書いてあります。そちらをご参照ください。
初めて足きりを意識した。。。
今年R5の司法試験の中で受験生が一番難しいと感じたのが憲法の短答だったと思います。個人的には断トツ短答憲法でした。ほとんどの肢がフワフワしていて、確信を持って切れる肢がマジでない。受験生としては解き終わった感じだと、半分も正解してるんだろうか?という手応えです。私自身も20問中自信あるのが6問程度で、あとはフワフワ状態でした。試験後に初めて足きりの点数を意識しました。「頼むから30点とどいてくれ。最悪20点さえ超えていてくれ」そんな心境でした。
良かった。。。34点。。。
もしかしたら論文の発表以上に緊張したかもしれません。それくらい不安でした。結果は、、、、34点でした。正直想像以上に良かったです。
本番2週間前にR3とR4を通しで解いても、両方とも32点ほどだったので、本番も30点を目標としてました。
それにしても、今回は直近2年以上に曖昧な問題が多く、難しかったです。
私の短答対策(反省多し)
とにかく油断しました。私がやったのは下記です。
①短答過去問パーフェクト(回すことはできず、、、、、)
・年内には総論と統治部分については一通り終わらせました。さらに、間違えた肢のうち覚えやすいポイントについてはリストとしてまとめて暗記できるようにしていました。
もっとも、人権については1ヶ月前にやっと一周終わった感じです。
・結局時間切れで、短パフェを繰り返し回す時間がないため、絞る必要に迫られました。
・総論&統治については、短パフェを繰り返すことは諦めました。
総論・統治については、①条文と②ポイントをまとめたリストだけやることにしました。
・人権についても、肢の基となった判例を判例百選にさかのぼって見るとの復習は諦めました。あくまで解説に記載のある範囲でのみ復習をしました。憲法は民法や刑法に比べると復習に時間がかからないので、4回転ほど高速で復習することができました。
②基礎テキスト&リーディング判例
基礎テキストとしてはLEC矢島先生のスピチェでした。150ページで、3時間で一周することができました。
人権の各分野のリーディング判例も30個ほどは載っているので、それらの理解は深くしました。
③総論・統治の条文知識
総論・統治の条文知識と判例知識については、条文を繰り返し読み暗記しました。
④R3,R4の直近2年分の過去問をじっくり解く、読解トレーニング
私の使った短パフェはR2年までの問題しか載っていませんでした。そこで、R3とR4については時間マネジメント、読解トレーニング目的でじっくりと解き、分析しました。
特に見解問題や読解問題、誤肢の言い回しなど、微妙なニュアンスをアジャストするために使いました。こちらも3回は解きました。前日も10問ほど解いて、自分の読解を作問者と一致させるようアジャストしました。
※反省、もしもう一度受けるをとしたら何をするか。
今回はたまたま34点も取れましたが、一方間違えれば24点くらいになった可能性も十分あったと思います。最悪10回に1回は足きりになるおそれさえありました。そんなことがあれば今までの苦労が水の泡です。
本当に本当に、油断は大敵です。
もし来年も受験するのであれば、必ず以下をやります。
①短パフェは完璧に繰り返し、回す。
民法や刑法と違って、憲法は回すのにそこまで時間がかかりません。特に人権分野は記憶量も多くありません。400問くらいありますが回すこともそこまで時間もかかりませんし、記憶の維持も大変ではないので、回す回数も少なくすむと思います。
人権分野だけでなく、総論・統治部分も全て完璧にする。
※判例100選の読み込みは必要か。
正直、問題を解いてみて、判例100選を読み込んだから40点を超えるとも思えません。費用対効果は乏しいと思います。過去問の範囲内で繰り返して完璧にしておくで十分すぎると思います。
②統治の条文は完璧に覚える。
気づき① 高得点は望まない。論文との相関関係は低い
前のブログに書いたように、民法と刑法は論文との相関関係がかなり高いです。予備校の先生もみなそう言います。
しかし、憲法については相関関係はそこまで高くないそうです。私の実感もその通りです。
したがって、初受験の人は、目標は気楽に30点程度に設定するのがいいと思いました。35から40点を目指そうとしても、ダイレクトに得点アップする学習法は見当たりません。判例100選読み込んだからって得点UPするとも思えません。
受験生の作法としては、民法を確実に8割60点、刑法も確実に8割40点を目指して、憲法は気楽に30点を目指すのがベストだと思いました。(辰巳の西口先生も同じようなことを言っていました。)
気付き② 短パフェは全部回そう。判例100選読み込みは不要。
上記にも書きましたが、民法や刑法と違って憲法については短パフェを全部解いても、そこまで時間がかかりません。特に人権分野はそれぞれの肢というよりかは、一つの問題全体で一つの理解となっているため、一問あたりにかかる時間が少ないです。そのため、高速回転が可能です。
短答憲法固有の肢の日本語読解力を養うためにも、全ての過去問を繰り返し解くことをお勧めします。伊藤塾の合格セレクションではなく、短パフェでいいと思います。
また、問題を解けば分かると思いますが、100選を読み込んだからといって得点がUPするとも思えません。費用対効果はかなり悪いと思います。
短答対策として100選を潰すような学習は不要と感じました。
気付き③ 日本語読解力トレーニング、アジャストは必須
憲法の選択肢の正誤は、ほとんどが日本語のニュアンスで決まります。「明かに誤っているものを選べ」との単純な正誤ではなく、かなり日本語のニュアンスで正誤が左右されます。言い換えると、正解とも誤りとも取れるような選択肢が多いです。実際、試験後の解答速報も各予備校で正解が6点もズレます。
また、予備校講師でも8割程度しか取れない試験です。
他の国家試験ならあり得ないと思いますし、私個人としては、悪問と思っています。でも、試験なのでしょうがないです。
なるべく作問者の日本語と自分の日本語理解をアジャストする作業が必要です。基本的にはあまり深読みせずに素直に読むと正解に近づく印象です。
アジャストの仕方は、人によってそれぞれ違うと思いいます。
例えば、私は見解問題(aの肢はbの肢の根拠となっているか等)については、あるルールを決めました。
それは「2回読んで、直観的に根拠と思わなければ、違和感があれば否定する」というものです。
たくさん問題を解いているうちに、この手の問題は深く考えるより「直観」を信じた方が正答率が高まると思いました。
もっとも、それでも一つの肢の正答率が70-80%になる程度です。
確実な解法テクはないと思います。
あくまで自分に合った、少しでも正答率の上がる解法アジャスト法を探求してください。
まとめ
①憲法短答は舐めない、油断しない。一歩間違えると足元すくわれる。R5年の問題を解いて35点取れた人はきっと「作問者と相性がいい」んだと思います。
②初受験の者は、民法8割、刑法8割、憲法は6割の30点を気楽に目指そう。
③短パフェは全部回そう。
民法、刑法と違って、憲法はそこまで時間かかりません。また、人権は繰り返す回数もそこまでいりません。肢の一つ一つというよりは、問題一つで一つの判例知識ということが多いです。
したがって、全部解きましょう。
④判例100選の読み込みは必須でないと思う。いや、不要。
判例100選を一つ一つ潰そうと思っている方は、ぜひR5年をじっくり解いてみてください。判例100選の読み込みでどれだけ得点がUPするか検討して、費用対効果を検討してみてください。
判例100選を読み込んだからといって大幅な得点UPは見込めないと思います。
⑤過去問を使って、日本語読解力のアジャストを必ずしよう。
憲法短答の得点を安定させるには、作問者の日本語ニュアンスと我々の日本語読解力をなるべく一致させる必要があります。
試験としてこのような作業が必要となる時点で、問題としては不適切だと個人的には思います。
でも試験である以上しょうがないです。
なるべく正答率が上がるように、日本語読解アジャストトレーニングをしましょう。直近R5,R4の2年分をじっくり、繰り返しすれば十分だと思います。これは前日にも必ずやりましょう。