チルドレンゴッドの裁き 制裁② 警察宛の手紙
↑前回
--三日子がネットニュースを見る少し前、警察に通報が入った。
『あの、警察ですか!?』
「ハイ、そうですが、事件ですか?事故ですか?」
受話器を取った横田刑事が言い終わる前に、相手が叫んだ。
『事件です!!ウチの子が「チルドレンゴッド」に誘拐されました!!』
「『チルドレンゴッド」って、あの流行りの?」
横田も「チルドレンゴッド」のことは知っていたが、「バカバカしい」と一切興味を持っていなかった。
『そうですよ!』
「なぜ、誘拐だと?」
『ネットニュースに書いてあったんです!!「チルドレンゴッド」に改心させられた子供の体には異変が起きている!それはクローンだっていう証拠!私の子にも異変が起きています!だから誘拐なんですぅ!!』
…誰だネットニュースにそんなおかしなこと書いたのは…。いくらクローン技術が進歩したからってなあ、警察に迷惑はかけないでくれよ……
「身代金の電話とかは来たんですか?」
相手は黙り込んだ。
「イタズラならもっと手の込んだ嘘をついたらどうですか?では」
横田が電話を切ろうとすると、後輩の日村が血相を変えて走ってきた。
「横田さん横田さん横田さあん!!」
「んだよ日村うっせえなあ」
「これ!!」
日村は髪を見せてきた。それはよくある(?)脅迫状だった。新聞とかの文字を切り抜いて貼り付けたようなやつ。
「なんだこのまさに“これは脅迫状です!”っていう紙は…」
「とりあえず内容を!」
横田は渋々脅迫状を受け取った。
「なんだこれ…」
「今日直接投函されたものですよね」
「ああ…」
プルルルルルルル!
「また電話?」
「取ってみてください!『チルドレンゴッド』かも!」
「縁起でもねえこというんじゃねえよ」
横田はおそるおそる電話を取った。
「警察ですが、事件ですか?事故----」
『チルドレンゴッドです』
横田はハッと顔をあげた。
[日村!!]
[まさか、奴!?]
横田は黙って頷いた。
「はあ、『チルドレンゴッド』さん、最近何かと話題になってますね」
当たり障りのない返事を返す。
「それで…どうしますか?」
『私は本物です』
「それくらいわかってますよ」
『じゃあ手紙は届いたんですね』
横田は日村を手招きした。
[手紙のことも知ってる…おそらく本物だ。日村、耳を傾けて電話を聞いてろ]
[ハイっ!]
「それで…ご用件の方は?」
あえて脅迫状には触れない。
『あの手紙に書いてあることは本当です。これを分かっておいてください』
[!!]
[じゃあ、金を集めないと!]
[待て、全部聞け]
『疑っていらっしゃるのであれば、今、悲鳴を聞かせてやっても良いのですよ?』
「や、やめてください!分かりましたから!」
『では、手紙の通りに、お願いします』
電話が切れる。
「よ、横田さん、どうします!?」
「まずはメディアに言おう。そして、…今の電話は録音しておいた…。
この手紙と録音を、上官に見せる」
--そして、三日子はというと……
すみません、来週から投稿できない日がちょくちょくできるかもしれません…
(プロットが追いついていないんです…)