聴きに行くのを諦めきれなかった吹奏楽コンクール府大会
私は「諦めの悪い女だなぁ」てのは自覚しているし、それで失敗していることは多い。
でも、諦めが悪いのが逆転していいことが起きて、喜んだことはある。
先日は、眼の病気と老眼とで「もう競書なんてやめとこ」と年に2回行われる習字の競書大会への提出を諦めようとした。
念のために、本部に相談してみると「出品簿にそのことを書いておいてくださいね」と言われて、提出したところ、昇段して嬉しくなった。
この喜びと同時に悩んでいたことがある。
吹奏楽大好きの私が躊躇して、迷っていたことがあった。
「吹奏楽コンクール」の大阪府大会を観に行くか行かないかで悩んでいた。
吹奏楽コンクールは「座って団体で演奏する」の方だけれど、某テレビ番組で盛り上がってから、吹奏楽ファンが増えて、チケットが取りにくくなっている。
私は中学時代に吹奏楽コンクール出場者で、昨日実家で母が掃除をしていた時に面白いものがあるからと、画像を送ってくれた。
このレコードは、一見バレエ音楽のものかと見えるけれど、実は吹奏楽コンクールで金賞を取った団体にしか渡されないレコードなのだ。
このレコードには府大会の金賞受賞中学と小学校しか入っていなくて、貴重な1枚なのだ。
当時の参加校は少なかったか多かったかは覚えていないけれど、小学校で鼓笛隊の経験者というだけで中1なのに、トロンボーン奏者として参加した。
先輩や顧問の先生に怒られたり、嫌な思いはあったけれど、差し入れがあったり、時には下手褒めがあったりと苦い思い出と楽しい思い出しかない。
このレコードには、先生が指揮をしながら最後のいいところを小声で歌ってしまった部分が入っているので、むちゃくちゃ貴重品。
審査で落とされることはなかったけれど、2度と同じことは起きない。
さて、今年の吹奏楽コンクールは府大会から観る予定もなく、関西支部大会から観れるといいなぁと思っていた。
ところが、私の地元で行われた吹奏楽イベント(近大附属高校吹奏楽部の皆さんがゲスト演奏で来てくださった)で会った同期から、
「今年の府大会は支部大会なみにきついぞ!」
と聞いたので、調べるとテレビなどで有名になった「大阪桐蔭高校吹奏楽部」や「明浄学院高校吹奏楽部」などなど、有名すぎる学校が参加して、しかも関西支部大会へいける枠が減ったという。
行ってみようかどうか迷った。
眼の病気のことがあるし、家族に理解してもらえるかわからない。
過去に娘と全日本マーチングコンテストに行ったけれど、今はある病気のおまけで「聴覚過敏」を起こしていて、座奏の吹奏楽曲は無理。
てなると、1人でいくしかない。
さらに、チケット販売の様子をみると、人気校の出場枠は売り切れ。
空いているのは朝一番の枠のみ。
出場校をみると、ちょうど淀川工科高校吹奏楽部や、わが地元で先輩方が入部した和泉高校吹奏楽部も入っている。
人気のある大阪桐蔭や近大附属は売り切れているけれど、淀工がサマーコンサートからどう成長しているか聴きたかったし、地元の高校の頑張りも聴きたい。
眼のことは気になったけれど、おもいきって、ひとりで観に行くぞとチケットを買った。
まだ発券はしていなけれど、朝から気持ちがあがった。
SNS上では、すでに支部大会が始まっているところはあるみたいだけれど、何やらいい話と悪い話とが出ている。
去年、そんなに悪い話は出ていなかったと思うけれど、今年はよく出てくる。
私の中学時代から、府大会で「北の方が強いよね。南はさっぱり」とよく比較されて嫌な気持ちにはなった。
今年もその話が出て、イラっとしたけれど、否定できないところがある。
南の方がどうしても、吹奏楽などで指導が十分できる先生や指導員の確保が難しくて、差が出てしまう。
さらに、「部活の地域移行」が始まり、公立校はますます指導できる先生の確保や練習時間の確保が難しくなってしまう。
今までの吹奏楽コンクールの姿を見るのは、もしかすると今年が最後かもしれないと思って、諦めかけていた府大会を観に行くのを「観に行く!」に変えた。
8月12日に高校生の部が行われて、結果発表はおそらく夜6時か7時あたりだろうと思う。
朝一番の部を見て帰るから、家で食事の準備の隙間に結果を知ることになるけれど、それでもどこが代表になったとかはもういい。
どこの学校も頑張っているんだし、コンクールではなくレースみたいにはなってほしくないし、「音を聴きたい」それだけでいい。
ひとりで会場までいけるかドキドキだけれど、ドキドキ感を楽しみながら、府大会を聴きに行きます。