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【勉強会】未来が視えてきた今、押さえておきたい"情報アーキテクチャ基礎①” - 調査・分析〜UXコンセプト・方針

バーチャル六本木ではたらく、フジワラです。

先日、mediba社のバーチャル空間で開催した【勉強会】未来が視えてきた今、押さえておきたい"情報アーキテクチャ基礎①"の裏側レポートです。

xRの未来が視えてきた今、なぜ情報アーキテクチャ?

もともと情報アーキテクチャは、Web誕生以前に先人の試行錯誤の偉業で磨かれてきた分野です。

現在のデザインシステムといったデザイン思想にも影響を与えている「都市はツリーではない」-- "A City is Not a Tree" Christopher Alexand(1965) や、

デジタルサービスデザインのUXでも応用されることの多い、”コンテクスチャリズム"(市街地形状、歴史、文化、ユーザーなどの文脈に沿ったデザイン)も、建築デザインの世界から応用されています。

最近、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といったxR技術分野とUX/UIを掛け合わせるデザインに携わる機会が増え、これまで無意識にリアルとデジタル、2Dと3Dはそれぞれ別のデザインアプローチと捉えていましたが、

技術革新によってリアルとデジタル世界の境界が曖昧になり、新しい空間価値が創られようとしている今、リアルプロダクトとデジタルサービスの両方のアプローチ進化形態を再学習し、融合・再構築することで、新しい価値に繋がっていくのではないか?と考えるようになっています。

Webデザイン分野は歴史が浅く表現力も限られてきましたが、技術革新により他分野との融合も現実的になってきており、物理学や美術分野の進化のような広がりを感じるようになり、今後が楽しくなってきました。

このような背景で、今回の勉強会では

・まだ情報設計に慣れていない若手メンバーに基礎に触れてもらう
・シニアメンバーには未来のデザインにも繋げる"学びほぐし"

として開催することになりました。

情報アーキテクチャ【IA】とは?

そもそも、"情報アーキテクチャ"とはなんなのでしょうか?

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「複雑な情報をわかりやすく伝える技術、思いやり。」
「ユーザーが情報にたどり着きやすくなるようにする技術。」


個人的には「ユーザーの目的や文脈に沿った情報で、経験(知識・習慣化)しやすくするお手伝い。」と捉えています。

実践現場で無意識に取り組んでいることも多いと思います。

情報アーキテクチャのデザインプロセス

広義の情報アーキテクチャでは、情報設計には「ユーザー、コンテンツ、ビジネス」で”Win-Win-Win”になるUXデザインが重要であるという考え方のもと、4つのフェイズで設計を進めていくことになります。


【Phase 1】 調査・分析
【Phase 2】 コンセプト・方針策定
【Phase 3】 情報設計
【Phase 4】 画面設計

もちろんLean, Design Thiking, Agileといったプロセスデザインと同じように、基本の型を押さえながら、時には並列進行したり、価値検証の結果で前プロセスに立ち返るなど、プロジェクト状況に応じて柔軟に”崩し技”を使っていきます。


medibaクリエイティブセンター所属の "UX Designer"と"UI Designer"は別職能としてジョブディスクリプションが定義されているので

Phase1,2 [UX編] 
調査分析〜コンセプト方針策定(エクスペリエンスフローまで)
Phase3,4 [UI編
情報設計〜画面設計(UIワイヤーフレームまで)

デザインスキルとしては重なりながらも、注力プロセスごとに、90分×2回に分けて進めることにしました。

任意の勉強会でしたが、結果として2回ともほぼ全デザイナー参加になり、学習意欲の高いメンバーが多い組織は頼もしい限りです...!


【Phase 1】 調査・分析

まずは「ユーザーを知る」「コンテンツを知る」「ビジネスを知る」ことからはじまります。

今回は数あるメソッドの中でも、特に下記に焦点を当て、ステークホルダーとの関わり方や、デザインプロセスのイメージを掴んでもらうワークにしました。

ユーザーを知る
"コンテクチュアルデザイン"(文脈に沿ったデザイン手法)

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ユーザーの"コンテクスト"【Context:文脈、背景】を重視したデザインで、考慮しておくといいと言われる5つの軸「役割」「流れ」「人工物」「人間関係など」「物理的な環境」です。

実際この5つの軸を頭に入れておき、エスノグラフィ(観察)しておくと、客観的にはわからなかった行動の深堀にユーザーインタビューを活用したり、後工程の設計ラフとなり精度・時間効率が上がるのでおすすめです。

DX動向など、リアルとデジタル、人との関係性、多様性がさらに複雑化するであろう今後のサービスデザインでより大事になると思われます。

コンテンツを知る

"コンテンツインベントリ"

5つの帽子かけを使った情報構造化と、リリース後のコンテンツ追加・更新のマネジメント方法。

ビジネスを知る
"ビジネスモデルキャンバス"(Lean Canvas)

一枚でユーザー、コンテンツ、ビジネス視点でサービスの状況を可視化。プロジェクトでコミュニケーションツールとして使う方法。

どの組織でも、このフェイズで日々奮闘しているデザイナーが多いかと思います。

ユーザー、コンテンツ、ビジネスを知り、Win-Win-Winの関係になるように、PJのゴールを決めていきます。



【Phase 2】 コンセプト・方針策定

次に"サービスの提供価値"を具体化する"UXコンセプトや方針"を策定していきます。

“コンセプト”と言うとキャッチコピーのようなものをイメージする方も多いと思いますが、「抽象⇄具体」を反復する中で、全体を構造化したり、ユーザーの行動を流れで捉えることにより

提供サービスだけでは接することのできないユーザーの背景、行動の全体の流れの中で「自分たちの提供するサービスがどんな価値を提供できるか?」「ユーザーの経験にどんな手伝いができるか?」が可視化され、コンセプトが視えてきます。

最終的にプロジェクトやユーザーに価値を一言で伝わるようにしたものをハイレベルコンセプト(=コピー)としています。


エクスペリエンスフロー(カスタマージャーニーマップでも代用可能)
マクロレベルとミクロレベルで、ユーザー体験の流れを可視化。

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類似アプローチとして、カスタマージャニーマップ(CJM)を活用することも多いと思いますが、文脈次第でどちらを使っても目的は同じとされています。

個人的には、下記のような特性を活用し

カスタマージャーニーマップ
ひとつのジャーニー(メインの成功体験)に絞るのでわかりやすく、PJ内での成功イメージ形成向き。

エクスペリエンスフロー
分岐やループなどのフローもあり、複雑な行動モデルでも実用的。詳細だが一見複雑になるので、起きうるパターンを想定しておきたい設計向き。

実践では、サービスの規模や複雑性に合わせてアレンジしますが、
マクロレベルはCJM、ミクロレベルはUIフローチャート※②UI編にする、簡略化したりしています。

時間を要するデメリットはあるのですが、納得感やゴールイメージ共有のために、策定プロセスの段階でPJメンバーに入ってもらうのも良い進め方でした。

さてユーザーの体験をフロー化し、手がけるサービスでの提供価値が具体化してきたら、Lean Canvasの「ハイレベルコンセプト」でワード化するなどし、関係者全員に伝わるようにしていきます。

もちろん仮説のままでなく、実際のユーザーに問い、価値が見つかるまで反復された前提となります。

まとめ

これでPhase2 UXコンセプト・方針策定まで完了しました。

【Phase 1】 調査・分析
【Phase 2】 コンセプト・方針策定 ★ココまで
【Phase 3】 情報設計
【Phase 4】 画面設計

久々に"情報アーキテクチャ"をテーマの開催でしたが、

自分が駆け出しのデザイナー頃に、米国で専門的に取り組んでいたインタラクションデザイナー等から体型的に学んだきたつもりでしたが、教える立場になってみると、思ったより自分の経験や場数に頼ってる部分が多いなと気づき、自分自身の学びほぐし(unlearning)にも役に立つ機会となりました。

続きの、情報設計〜画面設計は【UI編】をご参考ください!


#UX #UI #情報アーキテクチャ #IA #カスタマージャニー #コンテクスチュアル #エクスペリエンスフロー #デザイン



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medibaでは "ヒトにHAPPYを" をミッションに、いろいろなサービスデザインに挑戦しています。

現在は、リアルとバーチャル空間、両方のオフィス環境で仕事してます。

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