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関数列の導関数と整式


$${f_0(x)=e^x}$$とし、$${n=1,2,…}$$に対し、$${f_n(x)}$$を$${f_n(x)=xf_{n-1}'(x)}$$により定め、$${P_n(x)=e^{-x}f_n(x)}$$とおく。このとき、$${P_n(x)}$$は$${n}$$次の整式であることを証明せよ。(早稲田大学)

【答案】
「$${P_{n}(x)}$$は$${n}$$次の整式である」を命題Aと呼ぶことにする。この命題をいわゆる「数学的帰納法」により、以下、証明したい。
(i)$${n=1}$$のとき

$$
f_0'(x)=e^x\\f_1(x)=xf_0'(x)=xe^x\\P_1(x)=e^{-x}xe^x=x
$$

より、$${P_1(x)}$$は1次式である。よって、命題Aが成り立つ。

(ii-1)$${n=m}$$のとき、命題Aが成り立つと仮定する。すなわち、$${P_m(x)}$$が$${m}$$次式であるとする。このとき、$${P_m(x)}$$は$${m+1}$$個の定数$${a_1,a_2,…,a_m~(a_m\ne0)}$$を用いて、

$$
P_m(x)=\sum_{k=0}^{m}a_kx^k
$$

と表せる。また$${P_m(x)=e^{-x}f_m(x)}$$より、

$$
f_m(x)=e^xP_m(x)=e^x\sum_{k=0}^{m}a_kx^k\\f'_m(x)=e^x\sum_{k=0}^{m}a_kx^k+e^x\sum_{k=0}^{m}ka_kx^{k-1}\\=e^x(a_0x^0+a_1x^1+…+a_{m-2}x^{m-2}+a_{m-1}x^{m-1}+a_mx^m)\\+e^x\{a_1x^0+2a_2x^1+…+(m-1)a_{m-1}x^{m-2}+ma_mx^{m-1}\}\\=e^x\sum_{k=0}^{m-1}[\{a_k+(k+1)a_{k+1}\}x^k]+e^xa_mx^m
$$

要するに、$${n=m}$$のとき、命題Aが成り立つと仮定すれば$${f'_m(x)=e^x\sum_{k=0}^{m-1}[\{a_k+(k+1)a_{k+1}\}x^k]+e^xa_mx^m}$$が成り立つ。これを前提に、$${n=m+1}$$のときを検討したい。

(ii-2)$${n=m+1}$$のとき
$${P_{m+1}(x)}$$に$${f'_m(x)=e^x\sum_{k=0}^{m-1}[\{a_k+(k+1)a_{k+1}\}x^k]+e^xa_mx^m}$$を代入して、

$$
P_{m+1}(x)=e^{-x}xf'_m(x)=\sum_{k=0}^{m-1}[\{a_k+(k+1)a_{k+1}\}x^{k+1}]+a_mx^{m+1}
$$

ここで、$${a_k+(k+1)a_{k+1}}$$の部分は定数なので、$${\sum_{k=0}^{m-1}[{\{a_k+(k+1)a_{k+1}\}}x^{k+1}]}$$は$${k+1=(m-1)+1=m}$$により$${m}$$次式。$${a_mx^{m+1}~(a_m\ne0)}$$は$${m+1}$$次式である。よって、$${P_{m+1}(x)}$$は全体としては$${m+1}$$次の整式である。

以上、(i)(ii)により、任意の自然数$${n}$$について、命題Aが成り立つ。
[証明終]

【コメント】
シグマ祭り。
かっこの種類が足りないな。

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