x+y+z=nの整数解
(1)$${x+y+z=9,~~x\geqq0,~~y\geqq0,~~z\geqq0}$$を満たす整数の組$${(x,y,z)}$$は何組あるか。
(2)$${x+y+z=12}$$を満たす正の整数の組$${(x,y,z)}$$は何組あるか。
(3)$${x+y+z\leqq6}$$を満たす負でない整数の組$${(x,y,z)}$$は何組あるか。
【解答】
(1)$${3}$$つのものから重複を許して$${9}$$個とる場合の数を数え上げればよい。
$$
_3H_9\\=_{3+9-1}C_9\\=_{11}C_9\\=_{11}C_2\\=\frac{11・10}{2・1}\\=55
$$
より、[答]:$${\underline{55組}}$$
(2)$${3}$$つのものから重複を許して$${12}$$個とる重複組み合わせだが、ここでは$${3}$$つのものそれぞれについて、少なくとも$${1}$$つは取らなければならないと考える。これは、あらかじめ$${1}$$つずつ選んでから、残りの$${(12-3)}$$個について(1)と同様に考えればよい。そして、それは、以下のように(1)と同じ計算結果となる。
$$
_3H_{12-3}\\=_3H_9\\=_{3+9-1}C_9\\=_{11}C_9\\=55
$$
よって、[答]:$${\underline{55組}}$$
(3)$${3}$$つのものから重複を許して、最大で$${6}$$個選ぶ組み合わせを数え上げる。
$$
\sum_{k=0}^{6}{}_3H_k\\=\sum_{k=0}^{6}{}_{k+2}C_k\\=\sum_{k=0}^{6}{}_{k+2}C_2\\=_2C_2+_3C_2+_4C_2+_5C_2+_6C_2+_7C_2+_8C_2\\=1+3+\frac{4・3}{2・1}+\frac{5・4}{2・1}+\frac{6・5}{2・1}+\frac{7・6}{2・1}+\frac{8・7}{2・1}\\=1+3+6+10+15+21+28\\=84
$$
よって、[答]:$${\underline{84組}}$$
【コメント】
(3)については、以下の別解があります。
選ばないものの個数を$${w}$$個とすると、
$$
\begin{cases}x+y+z+w=6\\x\geqq0\\y\geqq0\\z\geqq0\\w\geqq0\end{cases}\\\\_4H_6\\=_9C_6\\=_9C_3\\=\frac{9・8・7}{3・2・1}\\=84(組)
$$
このような$${w}$$を「余裕変数」(slack variable)と呼ぶことがあります。「余裕変数」を用いれば、不等式によって与えられた線形計画問題を、等式に変換して評価することが可能になります。
なお、$${r}$$個のボールと$${(r-1)}$$本の仕切り棒を考える有名な導出を思い出せれば、$${_nH_r=_{n+r-1}C_r}$$の公式を忘れても再現できます。理解を伴っての「暗記」を心がけましょう。
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