研究日誌 vol.1 ーペンシルはついに「妖怪」の研究をはじめましたー
こんにちは、ペンシルです✍️
河童に天狗、鬼、雪女…世の中にはたくさんの妖怪が存在しますが、皆さん好きな妖怪はいますか?
改めまして、ペンシルの研究開発部門であるヒューマナライズマーケティング研究室です。日頃よりデータ分析や未来予測のための様々な情報収集・研究を行っております。
さて、気になっていると思いますが、なぜ今回「妖怪」なのかという点について説明いたします。
妖怪と人の心
皆さんは夜に人気のない道を歩くとき、暗闇や葉擦れの音に不気味ななにかを感じたことはありませんか。
まだ科学が発達していなかった大昔、人々はそうした目には見えない恐怖や、災害のように人間の力では太刀打ちできない脅威に対し、名や姿を与えることで、妖怪や怪異として捉えていました。
いまでこそ様々な事象が科学によって説明され、不気味なことが起こってもそれを妖怪の仕業であると考えることは減りましたが、科学が存在しなかった時代の人々にとって妖怪とは確かにそこにある "なにか" であったのです。妖怪とは人の心理を反映した存在であったといえるでしょう。
ただ面白いことに、科学が発展したいまでも妖怪は消えることなく存在しています。アマビエや口裂け女など、一度はどこかで耳にしたことのあるこれら現代妖怪もそのひとつといえるでしょう。
江戸時代以降、面白おかしく描かれることが増え、その在り方・捉えられ方は変化しましたが、娯楽という形で妖怪はいまも私達の心に関り続けています。
ポジティブ、ネガティブを問わず、どんな感情にもついてまわる、それがいまの妖怪の在り方です。
そんな妖怪と人の心の関係を解き明かしていこうというのが今回の「妖可視」(あやかし)プロジェクトです。
妖怪のこと、どれくらい知っていますか?
いまや妖怪は小説・映画・アニメ等に引っ張りだこな存在ではありますが、作品の多様化や時代背景など、スポットが当てられる妖怪にも違いがあるため妖怪にも認知度の違いがあると考えられます。
妖怪から受ける心理的影響の強さが認知度によるものかどうかを明らかにするべく、まずは認知度調査を行いました。
今回は18〜59歳までの男女67名に対し、アンケート調査を実施しました。アンケート内容については、当社がピックアップした23種の妖怪について写真と名前を提示した後、その妖怪についてどの程度知っているかを選択肢から選んでもらうというものです。
選択肢は以下の7つです。
妖怪は、"鬼" や "天狗" といった一般的にメジャーなものから、"オバリヨン" や "ヒダルガミ" のような聞き馴染みのないものまで用意しました。
さて、結果ですが、昨今はアニメ「鬼滅の刃」の人気もあり、"鬼" が堂々の1位になると予想していましたが、意外にも以下のようになりました。
※ ⑦「名前も見た目もどんな妖怪かも知っている」の回答比率で順位付けしています。
最も多くの認知を獲得したのは「座敷わらし」でした。
今回は単純なネームバリューに加え、その妖怪の特徴といった詳細な部分まで調査したので、具体的なストーリーとセットで広まった妖怪ほど認知度が高く、逆に "鬼" や "天狗" といった、やや抽象度が高く、派生の多い妖怪は控えめな認知度に留まった印象です。
上位3つの妖怪が全員 "女性"、あるいは "女性のイメージ" を持っているのも興味深いですね。各妖怪の持つストーリーの影響度となにか関連があるのかもしれません。
鬼に関しては、「名前と見た目をだけ知っている」の比率が40%と全体の中で最も高く、ネームバリューに対して、どんな妖怪かは分からない人が多いというのは面白い点です。
名前や見た目のインパクトが与える影響
これに関しては妖怪に限った話ではありません。
中身は詳しく知らないにも関わらず、名前のインパクトやイメージだけが先行することは世の中にも数多くあります。広告などで「あの〜〜が監修」「医師も推奨」といった訴求をよくみかけますが、あれも名前やイメージにインパクトを与える手法のひとつです。
心理学では権威性効果と呼びますが、情報の判断を行う際、人は自分が思っている以上に発信者の権威や肩書に影響を受けてしまいます。メディアの進歩も相まって強力に認知が広まった鬼ですが、その実態を私たちは実はよく知らないのかもしれません。
今回は認知度調査でありましたが、なかなか興味深い人の心理が垣間みえました。今後はより、妖怪が感情や認知に与える影響を深堀ることで、両者の関係性を明らかにしていこうと考えていますので、面白いと思ったらぜひシェアしていただけるとありがたいです。
それでは次回もお楽しみに!
(画像提供:国際日本文化研究センター)
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