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私の葬式も笑える式にしたい〜破天荒爺の生き方〜

言葉に残しておくと自分のためにもなるし、これから進みやすいと最近気づいたのでまた書き残しておきたいことがある。

ちょっといつもより口が悪くなる場面があるかもしれないのでお耳汚しがあったら申し訳ないです。

先日このじいさんは不死身だ、化け物だ!とすら言われていた私の父方の祖父が亡くなった。

ちょうどお盆が終わるころだったのでご先祖様たちに「ええ加減行くよ!」とでも言われたかのように17日の朝方に亡くなった。

92歳だった。


私が会いに行こうとした前日のことだった。

4月に亡くなった母方の祖母の時も私が会いにいく前日に亡くなったので死神なのでは?と言われる始末。(Oh,no〜)

7年前には社会人になるまで一緒に住んでいた大好きな祖母が亡くなってその時はかなりショックを受けたけど、それに対して夫である祖父は破天荒で頑固で実の息子娘(私の父たちにあたる)からも嫌われていて、なんで先(天国に)行くのー!と叔母が言っていたほど。

私の祖父である「イチロウ」は取引先とは喧嘩するし、頭に血が登ったら聞く耳持たずなのでどちらかというと身内であればあるほど嫌われていた。(逆に友達に話すとそんなおじいちゃんいない!ということでおじいちゃんおもしろい!と好かれるタイプだった)

孫なのにそんなこと言うなよ、って思われるかもしれない。

人によって「やばい」の度合いは違うと思うけどここでその「ヤバさ」について書き残しておこう。

そう、イチロウがどんだけやばいお爺かというと…

・妻である祖母が亡くなって1年したかしてないかくらいに周りに「5人彼女いまっせ(全員飲み屋のお姉ちゃん)」と飛んだ勘違いを言いふらして回っている(身内は恥ずかしくて死にたい)
・「ええ顔でっしゃろ?何歳に見えます?」と自分から言いまくる(お世辞にもイケメンではない※あくまで個人の感想です)
・「恰幅ええでっしゃろ?」とこれまた人に聞きまくる(どう見たってただのおデブ)
・見栄のために持ってるお金のこととか平気で言っちゃう(父からしたらそれは全然お金持ちの類じゃないという金額でも言っちゃう)
・超デリカシーない人間で今イチロウが社会人だったら◯◯ハラスメントとかで訴えられそう(私にも「いくちゃん、もっと顔が良かったらなー」とか平気で言われてた)
・コロナの緊急事態が出たばっかりで、特に高齢者が外出したらダメな時期に、家族に怒られながら結局自分の誕生日だからと出かけて飲みに行った。に留まらず、その年にお爺がコロナを外からもらってきて母以外の私含む全員コロナにかかった。父親は一番酷く、そのあと血液からの感染で脊髄炎を起こし後遺症を負った。(いやぁもう最悪だよね)

まぁ他にもいろいろぶっ飛び、笑える話もあるけどこのくらいにしておこう。

なにせ自分が決めたことは曲げないので自分の言うこと聞かない人をすぐ切っちゃう。自分のペースで休みとか時間とか関係なく連絡するし、人付き合いは下手くそで、趣味も辛うじて旅行だけど祖母が亡くなってからは時々
「彼女」という人と行ってたかなくらい。(もう一度言うがこの人は彼女ではない)

自分がストレスになることが嫌いだから周りにぶちまけて周りがストレス抱えてたのも知ってるので私は絶対長生きの秘訣って「ストレスを抱えないこと」だと思っていた。(この人を題材に「ストレスフリーが長生きできるコツ」みたいな本ができるわ、と勝手に妄想してた)

だからまぁ寂しい葬式になるのでは?なんて思ってたよね、当日迎えるまでは。

でも私の予想は外れた。


お部屋いっぱいの送られてきたお花。
五人兄弟の長男且つ家業を継いだということもあり、参列者の方もたくさんいて。

あんなむちゃくちゃなお爺だし、92歳なのにこんだけきてくれる人がいるんだと驚いた。

一番泣いてくれたのはイチロウと喧嘩したこともある取引先の業者の方。それにつられて最後の挨拶で涙ぐむ父。

通夜までは私もイチロウが寝てるようにしか見えなくて全然涙が出てこなくて、そりゃそうかとか思ってたんだけど。葬式あたりから体は正直なもので「やっぱり死んだんだ」って寂しくなってきた。(私は基本的に「寂しい」という感情を持たないのでお久しぶりの「サビシサ」だった。)

イチロウに対してこの感情が出てきた自分に実は一番驚いている。

お経を唱え終わったお坊さんから「(イチロウは)最後まで自分が決めたほうに進んだお方でしたね」とお話をしていただいた。

それは本当にそうで。自分が食べたいものばっか食べるし、お酒は全然控えないし、見栄っ張りだし、ほらを吹くし、同じことで自慢しまくってくるし、、、人がどう思うかを考えているようで考えてない人だった。

皆に愛されたお爺さんでした!という感じではないんだけど、終始「おじいちゃんこんなこと言ってたね(笑)」と最後まで笑かしてくれるイチロウは最後までイチロウらしかったなと。


孫の私から見てもイチロウは人とうまく付き合って生きてきた人では決してないけど、それを貫き通して嫌われた瞬間があったとしても最後にこんなに泣いてくれる人とか自分のことを話してくれて笑ってくれる人がいる人生は私はそんなに悪くないと思うし、そういう意味ではすごいな、イチロウって思えた。

イチロウの死を通して、迷惑かけたらだめだと思って生きるより、迷惑かけちゃうこともあるけど助けられた人とか自分のこと見てくれてる人にはちゃんと恩を返したり、手を差し伸べられる人間ではいようと思った。
(後から分かった話、私たちが思ってたよりイチロウは人のこと援助したり、手を差し伸べてたらしい)

これを書き残すにあたってイチロウと私の今までの会話を思い返すとしょうもないことばっかりで何だこりゃって感じ。

ニヤニヤしてると思ったら「いくちゃん、アイス(ちょーだい)!」ってよく言われてたし。

亡くなった祖母とイチロウ、私の会話👇

祖母「いくちゃんおじいちゃんにお金ちょーだい!て言うてき!」
イチロウ「なんぼ欲しいんや!」
私「1000万円!!!!」
イチロウ「ひえええええ!!!!」

とよくやりとりをしていた。

んー、まともな会話がないな…(笑)


しょうもない掛け合いはもうできないけど、これからもイチロウのネタで笑える思い出をたくさん残してってくれたことに感謝だね。

何を言われてもイチロウは最後までイチロウらしかった。

今回みたいに私が死ぬときはたくさん泣いてもらうより、笑える話をいっぱいしてもらいたい。

イチロウの葬式でこんなにいろんなことを考えるなんて思いもしなかった!(失礼)
人に迷惑かけすぎず、名物ばあちゃんになれますように!

葬式の時に話してて
私のクリームソーダ好きはイチロウ譲りかもと思った!笑


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