見出し画像

ドリアンをコントロール


ペナン国際空港からタクシーにのった。60才ぐらいの運転手に、ドリアンはまだ食べられるか尋ねると、くぎをさされた。

「シーズンはほとんどラスト。でも、ドリアンとお酒で死ぬからね。気をつけないと」

ああ、と私は返事する。夜遅くについたし、ペナンにずっと住んでたというのが面倒で、観光客のふりをした。

「ドリアンはうまい。だけど You have to control yourself.」彼は真剣に言う。

「一回に何粒ならいいの?」

大事なことを教える、と彼は、メガネの奥の目を真剣にして言った。

「2粒食べたら、残りはタッパーウェアに入れるんだ。You know タッパーウェア?」

うん。

「タッパーウェアにいれて冷蔵庫に入れる。そして冷蔵庫を閉める。もう見えない」

そう言って彼はハンドルから片手を離し、ひらひらとさせた。

「見えるから食べたくなるんだ。ドリアンはうまい。見えたら我慢できない」

ドリアンはねえ。ペナンのドリアンは有名で、シンガポールや中国からも、新鮮な果実を食べにわざわざやってくるのだ。

「一日2粒だけ出して食べる。そしてまた冷蔵庫を閉める。次の日まで忘れる。次の日も2粒だけ食べる」

うん。

「ドリアンはうまい。だけど病気になったら仕事もできない。You have to control yourself」

は、はい。

ーー

本当にそうだと思ったけど、泊っているところはドリアン入室禁止である。

マーケットで買ったドリアン。


その場で5粒食べました。

いいなと思ったら応援しよう!

青海エイミー(作家/クンダリーニヨガ講師)時々ペナン
いつもありがとうございます。いま、クンダリーニヨガのトライアルを無料でお受けしているのでよかったらご検討ください。