見出し画像

言語の天才まで1億光年(高野秀行)

「語学の天才まで1億光年」 高野秀行

インドで身ぐるみはがされたせいで英語が上達、暗黒舞踏家のフランス人女性に生きたフランス語を学び、コンゴでリンガラ語を話してウケまくる。 コンゴでの「語学ビッグバン」体験により、語学の面白さに目覚め、以後、現地を訪れる際に必ずその言語を学ぶ言語オタクと化した著者。

辺境の言語は、ネイティヴを探して学び、文法の法則は自分で見つける── そのユニークな学習法は、語学上達のためのヒントが満載!

コンゴの怪獣やアマゾンの幻覚剤探し、アヘンケシ栽培体験などの仰天エピソードにおける語学についても語られ、『幻獣ムベンベを追え』から『アヘン王国潜入記』まで、高野作品の舞台裏も次々と登場します。

著者ならではの特殊な「言語体験」に基づき「言語」を深く楽しく考察。

自動翻訳時代の語学の意味を問う、破天荒で壮大な語学青春記。
(書影・あらすじは、「集英社インターナショナル」より引用)
……………………………………………………………………………

言語学習。特に、小学校中学年から始まる外国語活動、中学校・高校の英語教育、大学での第二外国語などなど、学校という場を離れるまで学び続ける外国語。

でも、今って、外国語を学ぶ必要がありますか。
(この言い方は暴論すぎますが……)
古のgoogle翻訳は、信用なりませんでしたが、今ではもはや実用的。
海外のニュースも日本語化されてすぐに入ってくる。
そんな時代に、時間と労力をかけて、言語を学ぶ必要はあるのか。

筆者の方が本に書かれた経験をしたのは、30年以上前。
でも、そこで感じ取って、本書で伝えてくれた言語の役割って、今にも通ずるし、今後も不変だと思うんです。
言語=民族、という視点にはハッとしました。

そもそも言語って、発信側と受信側がいなければ成り立たない。
結局、自分も相手も人なんですよね。
人と人とのやりとり、機械を通じて行うのと、自分の言葉で関わるのはどちらがいいんでしょう。

もちろん、翻訳アプリは便利なものです。
ただ、だからと言って、言語の勉強はやめられるのか。

辞める人もいるでしょう。
でも、相手のことを深く知りたい、相手のバックグラウンドを深掘りしたいという気持ちがある限り、人は言語を学び続けるし、意味ある営みなんでしょうね。


2024年1冊目でした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?