ディープ・ハウス
起きたのは1時半だった。13日は本当に何もしなかった。ひたすら寝転がって「もうひとつのチベット現代史」を読んでいただけである。発見があったと言えば、チベット現代史も違った見方をすれば違う見え方がするくらいだろうか。金沙江の東の東カムは侵略前にはチベット政府の勢力が及んでいなかったとはいえチベット人の世界であるが、国民党軍閥の劉文輝の支配下にあり、そこに住むチベット人は搾取されていた。金沙江の西のカムだって同じようなものである。チベット軍の軍機は緩み切っていて、カンパから何でも取り上げるし女は犯す。カムに派遣されることを「カムに正月に行く」と言われたほどだ。そんなカンパが当初、規律の守られた人民解放軍を歓迎していたのは分る気がする。しかし、後年、それは裏切られるのだが。
14日は11時から共産党の支部の新年会があり、ビールを飲んでしまった。断酒はストップである。しかし気にしない。シアナマイド(抗酒剤)を服用していたら大変だが、私はシアナマイドとは無縁である。さらに夕方、Mさんに誘われて飲みに行ってしまった。最初は「節」という居酒屋でビール3本飲んで、そのあと「佳代」というもう一軒の居酒屋で冷酒を1杯飲んだのだが、私は午後から寝ようと思っていたので、実は昼過ぎに睡眠薬を飲んでいたのである。ビール3本まではまともだったが、最後の冷酒が効いていきなり睡魔が襲ってきたので先に帰らせてもらった。後はそのままベッドへ直通である。スロビング・グリッスルの「Grief」が届いていたのでそれを聴いてみたが、朦朧とした頭で聴いたのでよく覚えていない。ただ、ジェネシス・P・オリッジがひたすら喋っているCDだったような・・・
15日は気が向いてちょっと出会い系アプリをやっていた。基本的にアプリ内課金のあるアプリはやってないのだが、無料と言いながら途中で「ポイントが不足しています」となったり、女性から送られてくるアプローチメールも、どれも変わり映えもなく、同じような内容で、ただ時間の無駄だったような気がする。これなら読書していたほうが良かったかもしれない。一応、会おうという話まで進んだ相手が2人いたが、昼に睡眠薬を飲んで寝ようと思っていたので、断りのメッセージを送っていたのだが、人の話を聞いていないのが丸わかりのメッセージがどんどん入ってきて、途中で嫌になった。あれは本当に暇な人間のやるやつだなと思ってしまった。
ということで、日記を数日書かないで16日になり、また断酒1日目である。バックにかけている音楽はティミー・レジスフォードの「NYC TRUE CLASSICS」、「HEARTBEAT」、である。「HEARTBEAT」は同名レーベルの大人気ミックス・シリーズの最新作。
ティミー・レジスフォードは1980年代中頃より音楽制作を開始し、ボイド・ジャービスと共に数々のガラージ・クラシックスの名曲を生み出し、やがてNYのラジオ・ステーションWBLS「MASTERMIX SHOW」でDJとしての人気を確立。他にも、MCA、MOTOWNといったメジャーレーべルの敏腕A&Rとして数々のアーティストを成功へと導く重要な役割を果たしているのである。1991年の「The Shelter」オープン以来、N.Y.ディープ・ハウス・シーンを常にリードし続け、シーンがよりハードな音楽性へと傾倒しても尚、一貫してソウルフルでディープな音楽にこだわり、普遍的なシェルター・サウンドを確立している。私は何度か彼のプレイを生で体験していて、気迫の漲るダイナミックなミキシング、驚異的なロング・ミックスでフロアの温度を上昇さることから「マエストロ」との異名を持ち、厳しい選択眼によって選び抜かれた楽曲とアフロセントリックな感性が紡ぎ出す、漆黒のダンス・グルーヴはシリアスなダンス・ミュージック・ファンを中心に熱い支持を得ている。年末年始からヤフオクやアマゾンで80年代サウンドを聴き続けていたので、ハウスがちょっと新鮮に聞こえた。ハウス再発見といったところか。
今日、投稿したブログは数年前に台湾に行った時の旅行記の前半。2泊3日だったので台北市内と、ちょっと足を延ばして九份に行ったくらいである。しかも、団体旅行。階段状の街並みに、レトロ調で洒落た喫茶店や茶藝館、みやげ物屋などが建ち並ぶ九份は良かったのだが、私は台湾の島をほぼ南北に縦走する5つの山脈(中央山脈、玉山山脈、雪山山脈、阿里山山脈、海岸山脈)や東海岸に興味がある。西海岸側と違い、観光地化もされておらず、そのため交通も発展していない。平地が少なく、山が海に迫っている。蘇澳花蓮港道路跡や清水断崖、太魯閣(タロコ)国立公園、九曲洞遊歩道など、行ってみたいところがいくつかある。私はどちらかというと緩いリゾートよりも厳しい自然が好きなようだ。ローカル鉄道を乗り継ぐ東海岸の旅というのも惹かれるものがある。台湾鉄道の旅といえば、台北と高雄を結ぶ台湾高速鉄道(台湾新幹線)が有名だが、私はローカル線が好きである。日本なら昔の天北線のような北海道のローカル線か。まあ、台北-花蓮なら日本製の車両を導入した太魯閣(タロコ)号や普悠瑪(プユマ)号が運行していて、人気のようだが、目的はその先だ。
台湾だけではなく韓国もあまり人の行かない東側に興味がある。北朝鮮との国境を訪れる、もっとも有名なスポットは「板門店」だが、私は韓国東部、最北端にある「高城統一展望台」に行ってみたい。トリップアドバイザーで調べると、「韓国東部7日間6泊」というツアーがあったが、料金は287,380円。まあ、韓国といえばLCCで格安に行けるので、国内旅行よりは安いのだが、やはり東部となるとあまり行く人がいないので高くなるのは当然だ。それ以前に、今の私は海外渡航が禁止されている。まず、それをなんとかしないと行きたいところにも行けないのだから。
CDの方はテンシティのアルバムに変わった。いまかかっているのは、プロデューサーにデイヴィッド・モラレスやケリー・チャンドラーを迎えた3作目の「ノー・ハウス・ビッグ・イナフ」だ。歌心を意識したファルセット・ヴォイスが全面に押し出されていて、ハウスミュージックというよりは、コンテンポラリーなソウル・ミュージックといえる内容である。私はこのアルバムの1曲目の「ピース・オブ・ヘヴン」が好きだ。このアルバム、いつの間にか廃盤になっている。と言うか、CDジャーナルを見るとテンシティのアルバム全てが廃盤になっていた。もう普通では手に入らないのか・・・と思いきや、アマゾンで「ノー・ハウス・ビッグ・イナフ」が1円から出品されていた。まあ、今の音楽の聴き方は昔のようにレコードやCDではないのかもしれない。大抵がダウンロードだろう。私はコレクターでもあるので、レコードやCDという物に愛着を感じてしまう。
曲はちょうど「オール・ラヴド・アウト」になった。この曲も好きで、私はアナログ12インチも持っている。スピリチュアル・ライフと並び、ディープ&スピリチュアルな作品をコンスタントにリリースしていて信頼できるレーベルのひとつIbadan Recordsから出されていた。12インチの方はジョークラウゼルのMIXが光る。
8時半、読まないといけない本が山のようにあるのにまたしてもブックオフオンラインで本を注文してしまった。注文したのはペヨトル工房の「WAVE(23号) シェーンベルクのヴィーン」と「銀星倶楽部(19) 特集 桃色映画天国 1980-1994」、岡崎京子のコミック「ハプニングみたい」、稲垣足穂の「ヰタマキニカリス(1)」の4冊。合計で1501円。ギリギリ送料がタダになる注文。ペヨトル工房のシリーズはヤフオクで何冊か買ってしまったが、1冊ごとに送料がかかって、以外に高くつく。ブックオフオンラインの場合は入荷がいつになるかわからないが、今回の「WAVE」にしても、「銀星倶楽部」にしても、どちらも350円で送料がかからない。どちらを選ぶかは財布との相談である。しかも、アマゾンでWhitehouseの「Total Sex (Reissue)」まで買ってしまった。まだ前回に買ったWhitehouseの「Birthdeath Experience」は届いてないのである。もう、今月は破産してしまう。これも、年末年始に爆買いしてしまった後遺症かもしれない。
「Total Sex」はパワーエレクトロニクスバンドWhitehouseによる2番目のフルレングススタジオアルバムで、1980年11月にCOME ORGANISATIONを通じてリリースされたものである。オリジナル・リリースは、ファーストアルバム「Birthdeath Experience」と同年の1980年、COME ORGANISATIONから。前作の暴力性をより効率的に表現することに成功した元祖パワー・エレクトロニクスの名盤にして基本盤。Whitehouseは、ウィリアム・ベネットによる元祖パワー・エレクトロニクス・プロジェクトで、 暴力やペーター・クルテンに代表される快楽殺人者、ネガティヴな性倒錯あるいは差別的要因を含む一連の発言等で、一般に 「ノイズ・ミュージック = 反社会的」 というイメージを作り上げたのもこのグループではないだろうか。所謂 「音楽的構造」 を逸脱したトンデモなく過剰な電子ノイズの放射と声の反復、過激なイメージはノイズの基本としていまだ色褪せる事の無い胡散臭さを放っている。
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