ハウスを聴きながら読書
昨日の21時過ぎに起きて、「チベット学問僧として生きた日本人 多田等観の生涯」の続きを読んだり、ちょっとウトウトしていたらいつの間にか日付を超えていた。「チベット学問僧として生きた日本人 多田等観の生涯」はさっき読み終わったところである。次に読むのはチベット亡命政府情報国際関係省の「中国 歴史偽造帝国」である。翻訳が有本香で、石平推薦で、アマゾンで見てみたら、「中国 歴史偽造帝国をご覧になったお客様は、こんな商品もご覧になっています」に百田尚樹の「日本国紀」が並んでいるので、その類の本である。あまり進んで読もうとは思わないが、一応、チベット亡命政府が出している本なので読むことにする。この本も文字の大きさや、行間隔を見ると一日で読んでしまえそうである。アマゾンの内容紹介にある、「中国共産党政権は、チベットを侵略し、チベット人の自由や人権を奪っただけではなく、彼らの歴史をも奪い、勝手に書き換えようとしている。本書は、「古来チベットは中国の一部であり続けた」という中国側のプロパガンダに対するチベット亡命政府の反論・反証を記したレポートである。」はもう分かりきった内容で、新鮮味がない。読まないでも知っている。断酒8日目。
これを書いているバックには、Blazeの「25 Years Later」が流れている。Blazeは1980年代にニュージャージーでJosh Milan、Kevin Hedgeの2人によって結成されたハウスミュージックグループである。「25 Years Later」は1990年に発表された彼らのファーストオリジナルアルバムで、彼らの「If You Should Need a Friend」、「Whatcha Gonna Do」は今やガラージクラシックスと認識されている。引き続きBlazeの「Spiritually Speaking」を聴く。これは2002年のアルバム。The Isley Brothersやジャズ/サキソフォニストCharles McPhersonの作品に70年代から名を連ねる名パーカッショニスト、Kevin Jonesをフューチャーしたソウルフルで爽快なフュージョン・ハウスの「Melodies Of Love」や、エレガントなピアノを始め、エモーショナルなメロディや艶やかなコーラス&SEがタフなハウスビートに乗った「Black Byrd Flying Free」などが収録されている。私は2曲目の「Breathe」がお気に入りである。これだといまでも踊れる。しかし、こういう曲をプレイするクラブがもうないのが残念だ。
さて、「中国 歴史偽造帝国」を読み始めるのだが、この本のまえがきを書いているラクパ・ツォコ氏はダライ・ラマ法王日本代表部事務所の前代表で、私のチベット語(口語)の先生である。ちなみに、チベット語(文語)の先生は、かつて西蔵ツェワン氏、ペマ・ギャルポ氏たちと同じ、最初期に日本にわたったチベット人で、日体大で柔道を学び、1970年代から1985年くらいまでダライ・ラマのボディガードをつとめたこともあるギュルミ・ワンダー氏である。ついでにギュルミ・ワンダー氏は、マーティン・スコセッシ監督のダライ・ラマ14世の半生を描いた「クンドゥン」という映画に俗人宰相ルカンワ役で出演しており、中国の将軍に喧嘩腰で対応するシーンは最高にかっこよかった。今はカナダ国籍をとってお坊さんでない俗人の老人ホームをダージリンに近いカリンポンにつくる事業に携わっているらしい。
今日はまたしてもアマゾンとヤフオクでCDを1枚ずつ計2枚買ってしまった。もう今月は食料以外の買い物は最後である。アマゾンで買ったのは、Whitehouseの「Birthdeath Experience」、ヤフオクで落札したのはThrobbing Gristleの「Grief」で、2つともノイズ・インダストリアルのCDだ。考えてみたら30年前に聴いていた音楽を最近集めているような気がする。Whitehouseにしろ、Throbbing Gristleにしろ、知っている人はほぼいないだろう。ノイズ・インダストリアルについて説明していくと果てしない泥沼にはまっていくので、詳しく知りたい方はペヨトル工房から出ている「銀星倶楽部06」を読んでもらうしかない。ヤフオクだと5,000円のプレミア価格がついているが、アマゾンなら中古品になるが2,939円から手に入る。
内容は、読書メーターの感想をひとつ紹介しよう。Jimmyさんの感想、「特集「ノイズ」ですがインダストリアル・ミュージック特集でした。確かに一時、ジャケ買いしていた頃に、中古レコード屋のキャプションを見てTGやPTV、DAFやキャバレーボルテール、テスト・デプトなんかを手に取ったりしましたが、この特集はチンプンカンプン。」とのこと。わかる人にはわかるが、わからない人にいくら説明してもわからない音楽ジャンルである。ちなみに、この「銀星倶楽部06」に、騒音芸術の元祖としてイタリア未来派のルイージ・ルッソロを取り上げ、実演用に「騒音」を出せる特製の楽器イントナルモーリを発明し、実作したこと。イントナルモーリという名は、「調律」と「騒音」の合成語で、「調律された騒音機械」といったほどの意味であること。不幸にしてイントナルモーリのオリジナルは、第二次世界大戦によって喪われ、現存しないことなどを我が母校の多摩美術大学の秋山邦晴先生が一文を寄せており、1986年、秋山邦晴先生により残されていた特許資料などを基に8種が復元され、多摩美術大学芸術学科に保管されていることなどを紹介されていた。