人生のおいしさ
アインシュタインも言うとる。
常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。
まったく、その通りだと思った。
アインシュタインの名言は好みに合っていて、この言葉に出会ったのは追われ続ける人生に少し余裕ができたところだった。私たち人は自由で天才的な感性を持って生まれてきたのに、育つうちに不自由を着込んで、さあ!いよいよという時に何もできなくなってしまっている。幸運なら、そのことに気づいて苦労に苦労を重ねて元の子どもにもどれるけど、そんなのひとにぎり。本当は生きられたはずの素晴らしい人生を、想像さえすることもなく死んでくんだなぁ、と。ああ、変なものを纏わないで生きてきたらどんなに楽だったのか。
なんてこったい。
取り戻そう。自由と幸せを。一通り、そこそこの経験をして、必死に働いて描いて生きてきた。モタモタしているうちにわたしは54歳になった。今こそ!と、着込んでいた不自由を脱ぎ始めドキドキと自由なわたしだったらするであろうことに挑戦している。誰のためでもなく、自分のために生きているという満足。50年の習慣はなかなかさっぱりとは脱げないけれど、おかげで毎日が発見の日々。行きつ戻りつ、成功しても失敗しても、その都度驚きに満ちてる。
あれっ?と思った。
偏見を脱いだら、きっと何かに到達するんだと思ってた。心は桃源郷にいるみたいに安らいでるんだと思ってた。そうじゃないみたい。感じたことのない体験、今までと違う物事の受け止め方、これまでなら絶望しかなかったのにハンカチから鳩が飛び出すみたいに素敵なものを見つける。そんな自分への好奇心が高まって、夢中になる。そして、感動的なその体験をあっさりと次の日には自分の身に起きたことでないように感じる。するとまた、次の発見も初めての体験のように驚きよろこぶ。
この「わぁっ!」とか「おおっ」とかが、人生の味わうべきおいしいところなんじゃないのかね。だから、わざわざ一回自由を忘れて思い出す喜びを大きくするのかもね。熟成??だとしたら、抜け出しにくく苦労を重ねた人は大成功かも。
何はともあれ、ここからがはじまりはじまり。満喫しよう。
Bon Appetit♪
描く行為が好物、つくることが快楽。境界線なくイラストを提供したくなる病。難しいお話をやさしく描くのも得意。生きることすべてを描きデザインする。旅をして出会って描きたいつくりたい。だからサポートは大歓迎です。 ( ・◇・)ノ