やさしさのうみ
午睡につられ まどろみ舞う
ここはやさしさのうみ 白い午後
だれかのひだまり 層にして
わたしを浮かべ 揺れるかのよう
気泡が無意識包み込み
出窓もいつしか昼の庭
目裏の月 わたしを浮かべ
浮動 痺れ 空に沈める化膿
体温這う波 冷たくて
覚めた目の先 黒い空
夜目には蛇咬む水鏡
わたしが同時に存在する
溺れロンドも死化粧
割いても無意識広がるだけ
無意味な輪舞 繰り返す
繰り返す ただ繰り返す
消したい層に
消えたい水面に
なくてもいいが浮かんでた
あってもいいになってほしくて
三角座りのかげおくり
静かな体温みつけたから
三角座りのかげおくり
寂しい背中を抱きしめる
かげがわたしに重なって
かげがあなたに重なって
かつて掻き分けたあの海は
もうないそら いつかあるうみ