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革屋と本屋のヨシナシゴト往復書簡007

皮革の仕事に携わる河合泉と
本屋を営む新井由木子の
たわいもない『ヨシナシゴト往復書簡』
vol.07 回文組み替え/人間性出ちゃう/浮気よりこっちの方が怖いかも
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新井さん
おかえりなさい
桜もすっかり葉桜となってしまいました。
八重桜とかまだ楽しめるところもありますし、これからツツジや藤の花がきれいですね。

さて、早速2編も回文を仕立てるなんてさすがです。

『わたしのお尻技クッキーキック触りし尾の下は』
こちら「クッキーキック」という造語で自由だなとおもいました。
しかし、このキックはなんだか私の頭に残り、ふとした時
どんなキックだ? ああそうか、骨をクッキーみたいに粉々に打ち砕くすごい威力のキックだ、と思い至りました。
かわいい甘いモノなのに怖い必殺技だなんて、どこかの格闘家が編み出したら、意外と流行り、「ハニートラップ」のように一般化しそうな気がします。

『裏作家 なんだか旦那 かっさらう』
犯罪までいかずとも、なんかその副業作家の作品に旦那の心を持っていかれるわけですな。
浮気よりこっちの方が、怖いかも。

「うらさっか なんだか だんな かっさらう」
の区切りをかえ、
「うら さっかなんだ かだんなか さらう」
としてみますと
「裏 作家なんだ 花壇なか さらう」
へえ うちの裏の人、作家なんだ。きっと儲かってるんじゃない?
そうだ、花壇の中になんか埋めてるかも、夜中にさらってみよう!

と実にあさましい回文になりました。人間性がでちゃうのかしら。
一言加えたりするとまた違ったことになったりして、永遠に暇つぶしできますね。

会社のはがきに入れる回文は、あまり縁起の悪いこと、お下品な言葉は入れられないですし、時事ネタを織り込むこともあります。
全くうまくいかず、回文をお休みした時もありました。
今回見返したら、よくこんなことを恥ずかしげもなくやってきたなと思いました。

頭脳全力で回文を作るため、仕事や他のことは忘れることができるので脳トレにはなりますね。
革の仕事はとても楽しいし、やりがいもありますが、時々こうして離れてみることは必要だと思います。
どっちも仕事だったりするのですが。

新井さんところで、連休あたりお暇でしたら、お蕎麦屋さんで1杯やりませんか?

2014/04/24河合 泉

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河合さんへ

気がついたら今日は4月30日、0のつく日往復書簡の日です。
往復書簡には先攻と後攻があるわけで、河合さんが後攻の書簡を忘れたときにその咎(とが)を責めたりしましたが、今回はわたしがすっかり忘れてました。
後攻は油断しがちだ。

回文を組み替えて思いがけない物語になるの、面白い!
そして河合さんの読み解きが、なんだか人間の可愛らしさが出ていて、面白くてニヤニヤしてしまいました。
かわいい名前の必殺技、くらったら2重の意味でもだえてしまいそうです。

わたしが「裏 作家なんだ 花壇なか さらう」を読み解くと、花壇の中をさらうと出てくるのは金塊ではなくて、、、なんだかとても恐ろしいものが出てくるように思います。
作家は実は、なりすまし作家で、本当の作家は花壇のなかに、、、とか!
ひとには必ず裏の顔があるとか、聖人君子なんているはずないとか、人間を疑ってかかる癖のあるわたしの人間性が丸出しの読み解きになりました。

頭脳全力でパズルのようなことをするのって楽しいですよね。
わたしはスマホでできるチェスをやっています。
ches.comというアプリにいるたくさんのaiプレイヤーを順番に倒していくのですが、戦い方の性格づけがそれぞれに違って面白いんですよ。
隙の無いやつとか、肉を切らせて骨を断つタイプとか、みみっちい手で引き分けに持ち込むキャラクターもいて飽きません。
そして自分の性格もむき出しになるんですよ、、、。
わたしは、勝ちの手が見えたり逆にピンチになったりすると視野が狭くなり、失敗するんです。大局を見失うんですよ、、、。
大局をいつも意識できるひとになりたいです。仕事においても。

わたしのches.comのレートです
以前は課金してやってたのですが、課金したアカウントがフリーズしたため
無課金でやっています。
それでもけっこう楽しめる。

性格とか人間性とか、人間って面白いなあ。

連休中ずっと暇というか仕事してます。
お蕎麦屋さん行きましょう。
河合さんとサシで呑むの楽しみです。
酒の席で河合さんと話したい議題も準備しました。

2014/04/30新井より

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河合泉
埼玉県草加にある皮革工場『河合産業株式会社』。
家族が営む同社を手伝う傍ら、草加の皮革「SOKA LEATHER」のPRを努めている。落語が好き。

新井由木子
埼玉県草加市の小さな書店ペレカスブックを営みながら、町の工場と力を合わせて『読書のおとも』を作る。酒が好き。落語も好き!!

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