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絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.21

編集者さんと推敲

信じられないことですが、原画が出来上がりました。
もうこの後は絶対に絵を汚したくないので保護用のトレーシングペーパーも新しくします。
トレーシングペーパーはロール状になったものを原画のサイズに折り重ね、その間に原画を挟みます。

表面に紙が擦れるだけでも汚れるので慎重に

編集者土井章史さんのお店トムズボックスに向かいます。

朝電話して、すぐに土井さんに会えることになった
タイミングよし

土井さんは、わたしが送った文字入りのデータをカラープリントして待っていてくださいました。

原画チェックの前に、文字入れデータを直します。
幼年絵本は通常15ポイントの文字サイズですが、画面に描き込みが多いためうるさく見えるので14ポイントに文字を縮小。
それから土井さんのアドバイスで画面端から文字までの距離を15mm、上部は15mm、下部は10mmに整えました。

トムズボックスでは集中していたため写真が撮れず自宅での写真です。
わたしはイラレ上にマス目のワイヤーを作ってレイアウトしています。

そして土井さんが文章を声に出して読みながら、文章の調子を整えます。
土井さんが絵本を読む声は、しみじみとした味があって、とても好き、、、。
なんて聞き入っている場合ではなく、文章を磨き上げます。
全てのおばけの呼びかたを『おばけのこども』としていたのを、主人公以外は『こども』に直したり。
おばけが3人で会話する部分は、土井さんが発話を2つにしようと言ったのを、わたしが「3人いるから3つの発話がいい」と意見して、「まあ、それでもおかしくないか」と土井さんが了解したりと、意見や気分を擦り合わせながら推敲は進みました。

読み進めていく『感じ』が大事と土井さん。

それから奥付けを制作。
土井さんの名前は屋号『トムズボックス』で入っています。
土井さんが力を貸してくださったことが、ここに文字で現れているんですよ、、しみじみと、感謝が湧き上がってきます。

浜園さんの言葉は、土井さんチェックの後に入れたので
再度確認が必用
また売り上げの何割をこども食堂に持っていけるかも
製本まで済ませないと計算できない
販売してくれる本屋さんにも
利益を出さなければならない

文字入れが済むと、これが最後となる原画のチェックです。
今回の作画については土井さんが「とても独特なグラフィックだね」と言ってくれるのですが、褒めてくれているのかどうか、わかりません、、、。
とにかく、わたしの絵描き人生で培ってきた感覚で全身全霊で描き切ったことだけは確かで、なぜそんなに全力を注いだかというと、全ては見るひとに楽しんで欲しいからです。

全てのページを壁に貼って
細かい直しをしてました

そして最後に、製本のための用紙のことを土井さんに教えていただきました。
「あなたの絵柄ならこの紙が良いでしょう」と土井さんが勧めてくれたのは『b7トラネクスト』。
「この紙は受注生産だから、もし手に入らなかったらこっちね」という第二候補は『スマッシュ』。
「紙は重要だから、ここは譲らずに印刷所にお願いしなさいよ」と、土井さんが念を入れてくれました。
さて、これからいよいよ、印刷所で製版に入ります
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2025/01/23
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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リアタイでは、2月から千葉県柏市のカフェyosagenaさんで始まる
『Vermin 害獣という名のブックカバー』ポップアップシップのための準備中。
今日これから打ち合わせに向います。

鹿1頭分のブックカバーにシリアルナンバーを入れます

記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。

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