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ストリーミングで聴く、自作自演クラシック②1楽章の主役はピアノではない? ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」

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ピアノ協奏曲のなかでももっとも人気の高い曲かつ、名ピアニストでもあったラフマニノフのピアノが聴けるという意味でも貴重な音源。およそ90年近く前にもかかわらず音質は良いほうだ。
1オクターブ半が楽々と届いた大きな手が鍵盤の上を駆け巡り、華麗に音を奏でるのが生き生きと蘇る。

聞きどころはやはり目玉になる一楽章か。
複雑で細かな音の粒がオーケストラが盛り上がってる間にもはっきり聞こえるのは、見事としか言いようがない。
技巧的な部分もあまりに軽々と弾いているため、重たい印象だった曲がかえってあっさり聞こえる。

しかし、最初はラフマニノフがあまりに優れた弾き手だからこそ軽く弾いてるように聞こえるのか、と思ったが、そのあっさりさもラフマニノフの狙いかもしれない。
この一楽章の主旋律を担うのはオーケストラ、特に弦楽器だ。冒頭の展開部分も中盤テーマが戻ってきたときも、盛り上げるまではピアノが担うが、最高潮に達したところでピアノが脇役に回る。ピアノ協奏曲なのに。
こう書いてみると、ピアノが主人公というより、芸達者が担う狂言回しの役に近くなる、そんな感じも受ける。

だからなのか、次の二楽章の甘美な演奏がすごく引き立っているように聞こえるのだ。
あれだけ激しい一楽章を軽くいなして、ここぞという時にロマンチックに朗々と歌い上げるの、ちょっと卑怯じゃないですか先生。(前段落から全部私の妄想だが)


しかし、2m近い大きな体躯の持ち主であった彼がピアノを弾くさまは想像するだけでもダイナミックだし、逆にそんな彼がロマンチックな旋律を奏でるのも、なんだかセクシーだ。

ラフマニノフは積極的に録音を残しており、有名なピアノ協奏曲2番・3番の他にピアノの独奏や自ら指揮した交響曲3番もストリーミングにある。


前回の記事
ストリーミングで聴く、自作自演クラシック
①ホルストの「戦争をもたらす者」の貌
https://note.com/pekopeko_0_0/n/n19c286e890e5


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※記事を公開したので、次回予告部分を公開しました。(9/23追記)

次回はショスタコーヴィチのピアノ協奏曲一番を紹介予定。


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