家族がほしい、と思ったあの日のこと
その日は去年の6月くらい。新卒入社した企業で、配属が大阪になった。
初めての引っ越し(東京から大阪)、初めての賃貸契約、初めての一人暮らし。
最初は不安もありながらも、家具を選びにニトリにいったり、新生活家電3点セットをビックカメラに買いにいったりで一人暮らしにわくわくしていたのも懐かしい。
そうして一人暮らしが始まって、2か月くらい経ったある日。朝からおなかがひどく痛かった。会社は休めないと思って電車に飛び乗ったが貧血でぶっ倒れそうになった。結局、ひどい食あたりなのかストレスかで1週間くらいおなかを下した。便をしようと思うと水が出てくるような状態になった。30分ごとにトイレにいくような感じ。結局会社は5日くらい休んだかな。
仕事量が多く毎日ストレスを抱えて仕事をしていたし、1年中風邪を引かない私がダウンするのは結構めずらしいことだった。
会社を休んでいた時、いろんな不安に駆られて布団で泣いた。
なんで体調管理もできないんだろう、自分てばかだなあ。
大阪で独りぼっちだ。
会社の先輩も信用していないし、同期もさほど仲良くない。
東京に戻りたいな。家族の近くにいれた時間は幸せだったな。
あぁおなか痛い。。お母さん…
次々に感情がこみ上げてきた。今でもあの時の自分を思うと抱きしめてあげたくなる。相当追い込まれていたのかもしれない。
そんな病床でいろんな考え事をしたせいか、こんな考えに行きついたのだ。
私はもう家族からは離れている。
会社の都合で引っ越したのもあるけど、それを受け入れたのは自分の意思だし、自分で離れることを決めた。
私はこれまで両親に養われ、大人になった、そして自分の稼ぎだけで暮らしはじめた。もう今までの家族の関係とは何か違うものになった。親の扶養を外れ、家族から自分が独立したようなイメージをもった。
そっか。じゃあ私はまた自分の居場所がほしい、迎えてくれる、助けてくれる家族が欲しい、そう思うなら新たなパートナーを見つけ家庭を作っていかないといけないんだ。
こんな感じで、自分は家族から独立したことを、病気の期間があったことで自覚し、これからは自分の巣を自分で見つけて作っていかないといけないことに気付いたのだ。
こう思うのは、もともと放任主義の家族の中で育ち、自然と自立心を持つように育てられてきたことも関係していると思う。
私はこんなことを感じたことがきっかけで、自分を包んでくれそうな、支え合っていけそうな、新たな自分の家族を作れそうなパートナーを見つけたいなと思った。そして今の彼と出会えた。
新しい、自分だけの家族が欲しい。そう思うタイミングは様々だと思う。もちろん思わない人もいて当たり前。
私はあの時これに気付けてよかったなと思う。いつかは絶対に親から独立する時が誰にでもくる。結局親はいつまでもいるわけではないし。でも一人では人は生きていけないし、心のよりどころがあることで様々な困難を乗り越えることができる。家族の必要性、こんなことに気付いた22のときのはなし。