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重量物持ち上げ動作 〜質量不明時の脊柱起立筋活動〜

皆さんこんにちは。
北海道千歳市の理学療法士 澤野です。

本日は「重量物持ち上げ動作 〜質量不明時の脊柱起立筋活動〜
ということで、荷物の重さを知らない状態で持ち上げた時に、重さを知っている時と比較して脊柱起立筋の筋活動に違いが出るのか?という内容です。

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本研究の測定方法ですが、
unknown群(質量が分からない状態で3種類の異なる重さの重量物(体重の5%・15%・30%)を各々3回持ち上げる)
known群(質量の分かっている3種類の異なる重さの重量物(体重の5%・15%・30%)を各々3回持ち上げる)
この2群間での持ち上げ期の脊柱起立筋筋活動を比較しています。

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結果ですが、
全ての質量においてknownよりもunknownの持ち上げ時の方が脊柱起立筋活動が高く、体重の5%・15%においてunknownの方が有意に脊柱起立筋活動が高いという結果になっています。

以上の結果は持ち上げようとしている重量物の質量を過大評価した結果、筋が必要以上に反応する「過剰反応」の状態であると考察されており、また、30%では有意差を認めなかったのは、重量物の持ち上げに必要と考えた負荷量と実際に持ち上げに必要であった負荷量の間に差が少なかったと考察されています。

徳山 2002 , 理学療法科学

以上より、重量物持ち上げ動作では持ち上げ方法や環境設定、重量なども腰痛予防には必要ですが、今回のような質量の表示という心理面からの対策も腰痛予防の一つになる可能性があります。

ちなみに厚生労働省の腰痛予防対策指針の方でも「重量の明示」という記載があります。

実際の重量が、外見とは大きく異なり、誤った力の入れ方、荷物の反動等により、腰部に予期せぬ負担が発生し、腰痛を引き起こすことがある。取り扱う荷物の重量を表示することにより、労働者が、あらかじめ当該荷物の重量を知り、持ち上げる等の動作に当たり、適切な構えで行うことが可能となる。
              厚生労働省 2013 , 職場における腰痛予防対策指針

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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