重量物持ち上げ動作 〜人力で持ち上げ可能な重量は?〜
皆さん、お疲れ様です。
北海道で理学療法士をしている澤野です。
前回までは重量物持ち上げ動作での腰痛予防のための作業方法についてお話ししてきました。
是非、前回までの記事も是非読んで見て下さい。
今回は、重量物持ち上げ動作での人力で持ち上げ可能な重量は?
という内容でお話しします。
1.業務上疾病発生件数と災害性腰痛
介護業や製造業、建設業では20〜30kg、それ以上の物や人を持ち上げる作業は一般的に行われているかと思います。
しかし、ある一定以上の物や人を持ち上げること、これが腰痛発症の原因にもなってしまいます。
重量物持ち上げ動作が全てではありませんが、休業4日以上の業務上疾病の中で、災害性腰痛は約6〜8割近くとも言われております。
長年の発生状況をみると、昭和60年から平成10年頃までは災害性腰痛の発生件数は減少傾向ですが、それ以降はほぼ横ばい状態です。
厚生労働省 2014 , 業務上疾病発生状況等調査
厚生労働省 2014 , 医療保健業の労働災害防止
2.人力で持ち上げ可能な重量
厚生労働省の方では満18歳以上の男女別で
男性であれば体重の概ね40%以下
60kg 男性の場合:60kg×0.4=24kg以下まで
女性であればさらに男性が取り扱うことのできる重量の60%以下
60kg 女性の場合:60kg×0.4(男性が取り扱うことのできる重量)×0.6=14.4kg以下
とされています。上記を超える重量物の場合は、労働者2人以上にて行うように努めると推奨されています。
厚生労働省 2013 , 職場における腰痛予防対策指針
皆さんいかがでしょうか?
重量が大きいと、いくら作業方法や環境を調整しても限界があります。
重量を見直すかアシストスーツなどのデバイスを使用するものありと考えています。
是非、今一度自身の作業内容を見直すきっかけになれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。