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ダグマー・ヘルツォーク著(2005)・川越修/田野大輔/荻野美穂 訳(2012)『セックスとナチズムの記憶 20世紀ドイツにおける性の政治化』
Dagmar Herzog 'Sex After Fascism' 「戦争直後の保守的なキリスト教関係の史料のなかで、カトリックとプロテスタントのいずれもがナチズムを徹底的に淫乱なものとして描き、ナチズムの性的不道徳さ――性道徳の分野におけるタブー破り――とジェノサイドとの間に因果関係があると主張していることに、私は驚かされた。彼らはナチズム後の最も緊急の課題として、性的純潔への回帰と家族的価値の復権を求めていた。けれども一九六〇年代から七〇年代に『戦争ではなく、愛を』と呼