新規事業のPMMに必要なスキルとは
Sansan株式会社の小原です。
契約データベース「Contract One」という契約領域のDXを推進するサービスで、エンタープライズ企業向けのセールスを担当しています。
Sansanには入社以来、Contract Oneにプロダクトマーケティングマネジャー(以下、PMM)として関わり、現在はエンタープライズ向け営業組織を構築中です。今回は、Sansanにおける新規事業のPMMとして必要なスキルについてお話します。
Contract Oneのメンバーが記事を書いていますので、ぜひご覧ください。
10月末まで毎日リレー形式でお届けします。
自己紹介
私は2023年2月にContract OneのPMMとして中途入社しました。PMMとして中途入社する人は少なく、社内外から「PMMとしてのキャリア」について多くの質問を受けます。そのため今回、このテーマを取り上げました。
以前は、新卒で入社した大手人材会社でエンジニア向け転職サービスの立ち上げ〜事業責任者を務めていました。並行して既存事業の事業企画・営業企画の業務も担っていました。
業務の比重が徐々に既存事業側に寄っていく中で、もう一度新規事業のフェーズに飛び込み、事業を拡大する面白さを感じたいと思っていました。
ありがたいことに、前職でかなり幅広い業務を経験させてもらっていたので、経験をフルに活かせそうなポジションを求めていました。
当時はPMMについて知りませんでしたが、このポジションなら今までの経験も活かしながら新しいチャレンジもできそうだと思い、未経験でSansanの新規事業であるContract OneにPMMとして入社しました。
PMMとは
正直、入社時はPMMという職種についてあまり理解していませんでしたが、事業責任者のもとで営業現場やプロダクトを理解しながらスタートしました。
事業責任者がPMMとしての経験が豊富だったため、基礎を学びつつ、PMMの役割をしっかりと言語化しようと努めました。特に、以下の書籍や記事が参考になりました。
様々なインプットをもとに、入社当時はPMFを達成していなかったContract OneにおけるPMMの定義/ミッション/目標を、以下の通り定めました。
- 定義
プロダクトの成功に向けたビジネスサイドの戦略立案・実行・意思決定を担うポジション。マーケットの変化をとらえ、PMFを実現させる。ビジネスサイドの中心として、プロダクトに最も精通し、マーケット理解が求められる。
- ミッション
プロダクトの市場創造のために、ターゲティングと訴求シナリオを確立し、組織に浸透させ、事業をリードする
- 定量目標
1. 当四半期の合計MRR
2. 翌四半期の合計期待MRR(次の四半期に受注が見込まれるMRRの合計)
- 定性目標
1. 事業戦略の実行に向けた組織や仕組み構築
2. 市場と顧客を踏まえた訴求メッセージの明確化
3. 受注を生み出す施策やコンテンツ制作の推進
おそらく大半の企業のPMMと比べるとビジネス寄りな目標設定になっているはずです。
新規事業のPMMだからこそ、定量/定性目標ともにPMFや事業成長に向き合えるよう設定しました。
PMMとして取り組んだこと
PMMとしての業務は大雑把に言うと、「事業成長のために何でもやる」ことでした。
以下、具体的な業務例を挙げます。
プライシングの検討・変更
プライシングは、SaaSのPMF・事業成長において、最も重要な要素の一つです。
弊社のプライシングの特長は、単に売上や利益を考慮するだけでなく、タグライン(プロダクトが顧客に提供する価値を簡潔に表現したもの)を意思と意図をもって反映させている点です。
Contract Oneのタグラインは、『現場の習慣を変える、契約データベース』です。
これに基づき、契約データベースと呼ぶ以上、締結済みの契約書をすべて取り込むことが求められ、また、管理部門以外のユーザーも利用できるプランを提供しています。
プライシングとタグラインが矛盾せず、顧客への価値提供が明確であることが重要であるため、タグラインに沿った形で定期的にプライシングの見直し検討を実施しています。
バーティカル戦略への移行
Contract Oneは、一時期エンタメ・コンテンツ領域に特化していた時期がありました。
このように営業戦略を推進するのもPMMの重要な役割です。
業界の解像度を上げ、業界に特化した営業シナリオの標準化やマーケティング施策を実行していきました。
- コンテンツ制作
エンタメ・コンテンツ業界の営業資料作成
ホワイトペーパーの作成
既存企業の活用事例作成
- アライアンス
業界団体への加入や業界特化の営業パートナーの開拓
- セミナー企画・登壇
業界に特化したパートナーとのセミナーを企画・登壇
PR施策の実行
PMMは、マーケットとプロダクトを繋ぐ役割を担っています。
そのため、新機能のリリースにおいては、機能名の決定やプレスリリースのシナリオ作成を行いました。
単に機能を発表するだけではメディアに取り上げられにくいため、マーケットの変化や顧客ニーズを反映したシナリオやメッセージをPRチームと共に作成しました。
また、マーケットの実態とContract Oneを繋げるために、オンライン上でのアンケート調査も実施。
その調査データを、営業資料やセミナーコンテンツ、展示会パネルなどに活用し、訴求シナリオを強化しました。
以下、例)
最も大きな後悔
新規事業のPMMを担うということは、事業成長つまり「売上」が目標になります。これは、ある程度成長した事業のPMMと大きく異なる点です。
新規事業のPMMに必要なスキルは、「新規営業力」です。
私も商談に同席し、一部の案件を担当していましたが、もっと早く積極的に営業活動を行うべきでした。
理由を以下にまとめました。
アポ獲得〜商談〜受注までを経験することで、課題特定と解決策がよりシャープになる
営業で成果を上げることで、周囲からの信頼を得やすくなり、プロジェクトを推進しやすい
顧客から直接フィードバックを得ることで、顧客の課題とプロダクトの解像度が上がる
私は、現在エンタープライズ向けセールスとして1日5〜6件の商談を行い、組織の立ち上げと事業拡大に取り組んでいます。
そのため、PMMとしてキャリアを歩みたいセールスを大募集中です!
まずはセールスとして顧客とプロダクトの理解を深め、圧倒的な成果を出し、PMMにチャレンジしたい方はぜひ一緒に働きましょう!
明日は、SMB領域のセールスマネージャー平野にバトンを渡します。
ぜひお楽しみに!