お手紙コーヒーで繋がる人と人
最近は手紙を書くことは減ったが、こういう取り組みはとても興味深いと思った。
東京都西国分寺市にあるカフェ「クルミドコーヒー」。
ここでは「お手紙コーヒー」というちょっと変わったメニューを提供している。
来店した客が見知らぬ誰かに手紙を添えてコーヒーを一杯(700円)御馳走するというもの。
店内に置かれたラックには何通もの手紙が並ぶ。
メッセージを読み、自分にピッタリだと思った手紙を手に取った客は贈り主へ返事を書いて、店のスタッフが郵便で届ける仕組みになっている。
当初は手紙を贈るだけのサービスだったが、受け取った人が贈る側に回るケースも増えてきたと言う。
確かに手紙を書いた贈り主としてもメッセージに対する反応があるのが凄く嬉しいことだと思うし、そういった受け手と送り手のやり取りが相乗効果として現れるのはこの取り組みの最大の魅力と言っていいかもしれない。
そもそもこの取り組みは店主の影山知明さんの実体験を基に着想されたと言う。
影山さんが小中学校時代、母は仕事で家にいないことが多く自宅のテーブルには晩御飯が用紙されていて、その横には母の「置き手紙」があったという。
一人で夕飯を食べるのは寂しいけど、忙しい母親からの愛情を感じれる瞬間だ。
やがて、影山さんは母のことを思い、仕事をしながらも毎日、自分の為にご飯を用意してくれる母に対して返事を書いてみることに。
そんなきっかけから手紙を通して、母との日常的なやりとりが生まれたという。
手紙というのはメールやSNSのDMのようにスピード感のある返事を求めているわけではない。
それは相手に何も求めず、相手からも求められない関係の中で、培われていくやり取り。
そんなやり取りに共感した人々がカフェには集い、今日も思い思いのメッセージを書き残していく。
クルミドコーヒー 公式HP↓
参考記事↓