なぜ、あの人は、相手が話し終えるのを待てないんだろう?
noteマガジン「パートナーシップを磨く」は、(職場や学校や家庭で)安心で安全に話し合える関係と環境を創り出したい人が、その土台となるパートナーシップについて探究できるフィールドです。研修やセッションで扱っているエッセンスを届けています。
連投124日目。今日も、会議に関するテーマにしてみました。
昨日は、社長が提案したアイディアを却下する話をしましたが、今日は却下する手前の話、122日目に書いた会議の機能、②「意見交換をする」に照準を合わせてみましょう。
たま〜に、こっちが話している途中なのに、質問してきたり、自分の意見を述べたりする人って、いません?
あれ、やられると、文字通り、「話の腰を折られる」感じがしたりしますよね。
でも、相手は話の腰を折っている自覚がなかったりするから、ちょっとやっかいです(笑)
「それってどういうこと?」「それってこういうこと?」と思ったことを質問しているだけのつもりでいますからね。でも、その行為はパートナーシップを感じさせないコミュニケーションになってしまっていることを、多くの人は知りません。
パートナーシップがある相手は、しっかりとこちらを尊重して、話し終えるまで待ってくれます。言い尽くしたかな?と思うまで、ただ、待ってくれるんです。だから、「あぁ、しっかり聴いてもらえた」という体験として記憶されます。
それがまた、次、何かの会話をする時に思い出され、「この人には、安心して話せる」と感じて、正直な本音を話せるようになります。
人が話し終えるのを待てない人は、ただ、せっかちだというだけではありません。
それとは異なる見方として、ポイントとなるのは、先ほど挙げた「それって、どういうこと?」「それって、こういうこと?」という質問の質にあります。
質問の質って、どういうこと?と思う方もいるかもしれませんね。この質問、同じようなことを言っているような感じがするかもしれませんが、この表現をあなたに使わせるパラダイムが隠れています。
まず、違うのは「どういうこと?」「こういうこと?」の部分だけですが、質的な違いとしては、『オープンであるかどうか』ということがみてとれるでしょう。
「どういうこと?」という質問は、どんな答えが返ってくるのかという想定をせずに聞く質問ですが、「こういうこと?」という質問は、自分が想定している答えや自分の解釈(以下、想定・解釈)で合っているかどうかを確認する質問ですよね。
もちろん、「どういうこと?」という言葉を使っていても、その背後に、想定・解釈をもったまま質問する人もいますので、一概には言えませんが、「こういうこと?」という質問をしている人が、想定・解釈を持っていないということはありませんよね。
この想定・解釈を持っている状態は、次のような状態だと考えられます。
・自分の知識や経験に照らし合わせて「正しい/間違っている」をジャッジしている
・自分の感じ方やとらえ方におさまらない事柄には、反射的に不快感が湧いてくる
・自分の解釈できる範囲で聞きたいように聞いている
・違いを説明しても、「こういうことでしょ?」と受け取れる概念で受け取ろうとする 等
そのため、会議で誰かが意見をしていても、自分の想定・解釈で受け取れないことには、反射的に確認したくなるので、話し終えるのを待てずに、質問をしてしまっているということが考えられます。
もう少し、感覚的に表現するとしたら、「1、2、3、4、5…9、10」とあなたが数えている時に、「3が気になる」となったら、「1、2、3、4…」と途中で「3が気になるんだけど」と言う感じですね。あと、もう一つのパターンは、「1、2、3、4、5…9、10」と数え終えるのを待ったとしても、「要するに3はさ…」と、自分が気になったところで引っかかり続けて、「4〜10」までの話を聞いていなかったかのように、質問を繰り出してくるというパターンもあります。
わかりやすく感覚的に表現しようとしたけど、なんかわかりにくい(汗)
多くの人が、自分の解釈・想定と照らし合わせながら相手の話を聞いているという自覚がありません。だからこそ、自分の解釈・想定を横に置く練習が大切なんですよね。
横に置くのは、横に置くなので、「こんなこと考えちゃダメだ」と否定することとは違います。ただ、横に置くだけ。
あ〜これも、言葉じゃ伝えにくい^^;;;
自分の解釈・想定と照らし合わせながら、相手の話を聞いているな〜ってことに気づくこと。これが練習の第一歩です!