そもそも、パートナーシップなんてない!
組織内のパートナーシップづくりを側面支援する組織コンサルタントのHOSUです。パートナーシップが組織に広がると、どんな状況になるか? 何が可能になるか? どんな結果が手に入るか?ということを綴っています。
ところで、皆さん、今日のテーマはちょっと真剣に読んでほしいので、そのつもりで読んでもらえると嬉しいです。
皆さんは、新しい人と出会って関係をつくる時、どんな風にしていますか?
・相手がどんなことが好きなのかを聞く
・自分がどんなことが好きなのかを話す
・共通の話題を探す
・食事や飲み会、スポーツやデート等、一緒に過ごす時間を増やす 等
相手が恋人候補だろうが、会社の新入社員だろうが、サークルの新参者だろうが、きっと一緒に過ごす時間を増やし、お互いの関係がより良くなるためのコミュニケーションを図るでしょう。
「関係をつくるのには、時間がかかる」という意識がどこかにありますね。だからこそ、過ごす時間を多く持つ方が効果的だと知っているわけです。
いや、その前に、そもそも「わたしとあなたには、関係性がない」ということも理解しているはずです。
だからこそ、初めての相手は緊張するし、この人と自分はあうのかな?と気をつかうわけですよね。
個人間の関係性は、スタート時点ではないわけだから、同じくパートナーシップもそもそも「ない」状態がデフォルト(標準)なわけです。
なにもしなければ、パートナーシップなんて芽生えようがない。ほうっておけば、あるように見えたパートナーシップなんて一瞬で消え去る。パートナーシップとはそういうものです。
ところが、わたしたちはある時点で、勝手な解釈に陥ることがあります。
それは、ある一定の時間がたち、ある程度お互いのことを話してきた時間があり、ある程度の会話ができる状態になると、「ある程度の関係性がある」とか「そこまでの関係性がない」とかいいますよね。
まるで、関係性には何かゴールラインのようなものがあって、そこに到達すると関係性が「完成する」ようなイメージがありはしませんか。
いえ、「完成した」と自覚することはないかもしれません。
ただ、ちょっとぞんざいにコミュニケーションをとることってありませんか?
既読スルーしてみたり、話しかけてくる人と目も合わせずに、パソコンやスマホを操作しながら受け答えしたり、言葉づかいがあらっぽくなったり、相手を下に見るようなコミュニケーションをとってみたり。
それ、あなたが普段、初対面の相手にやらないことなんだとしたら、あなたは相手に対して「これくらい許されるだろう」という勝手な解釈で、相手をぞんざいに扱っているということです。
「これくらいじゃ関係壊れない。大丈夫」
あなたの意識のどこかにありませんか?
その意識を創り出しているのは、「関係が完成した」という意識です。
しかし、残念ながら、パートナーシップも完成をすることはありません。
厳密に言えば、「この瞬間にパートナーシップがあっても、次の瞬間にはパートナーシップはない」のです。わかります???
別に宇宙の真理のようなことを言っているわけじゃありませんよ。
結婚したら、一生、パートナーシップが続くわけじゃありません。
お互いがパートナーとして認め合う中で、パートナーシップを育み続けていれば、パートナーシップは存在します。しかし、それは永遠に約束されたものではなく、簡単に崩れ去るもろいものです。
パートナーシップは関係する人が創り続けよう、育み続けようとしている中に存在するものです。
会社の中に、パートナーシップが常に存在する会社なんてないんです。
基本的に、どこの組織にもパートナーシップなんてものは存在しない。幻に過ぎない。
パートナーシップがなくて、根本的なところではお互いを信頼していないから、直接ものを言うとトラブルになるような気がして本人に言わず、裏でこそこそと言うだけで事態は改善せず、何も変わらぬ現状にストレスを感じ、いい人材ほど会社を辞めていくーみたいな話、もう耳にタコが出来るくらい聞いていますが、それが「デフォルト(標準)」なんです。
だから、「うちは人間関係いいし、働きやすい職場ですよ」と言っている人がいたら、ぜひ聞いてみてください。
「ちなみに、何が機能して、そういう関係性や職場が出来上がっているんですか?」と。
ここで10個以上理由が出てこなければ、相手はその状況を「デフォルト(標準)」だと捉えている可能性があるかもしれません。要するに「当たり前」と捉えていたら、それが崩れた時に「なんで?」とあたふたするだけになりかねません。
「空気があるのが当たり前。呼吸できるのが当たり前。なぜ、そこに空気があるのかは知らないけど、これからもあり続けるだろうから、そんなこと考えなくていいよね」という考えだと、あっという間に足下すくわれて終わり・・・かもしれませんね。
パートナーシップは創り続けるもの。
一人ではなくみんなで創り続けるもの。
創り続けようと思える「なにか」がそこに常にあること。
こんな見方で組織を見渡してみてください。あなたの組織を壊そうとしている人が、わんさか見えるかもしれません^^;;;