上司と部下のパートナーシップ2:「要求」と「依頼」の違い①
連投144日目。「上司と部下シリーズ」第2弾。
自分の考えを変えず、周囲の意見に耳を傾けないコミュニケーションを繰り返すスタッフがいると、周囲のスタッフが上司であるあなたに「なんとかしてください」と対応を迫ってきたとしましょう。
その時に、わたしがいままで聞いたことのある対応には、大きく分けると2パターンあります。
①問題となっている言動を変えるように指導する
②問題となっている言動を変えるように指導せずに、部署異動する
どちらが正しいとも、間違っているとも、一概には言えません。
ただひとつだけ、言えることがあるとしたら、②は、あまり効果的な結果を期待しにくいということですかね。異動した先で、同じ言動が問題になることだってあるし、異動前の部署でもそのスタッフがいなくなったあとで、同じような問題が生じやすくなる恐れがありますからね。
わたしなら、パートナーシップを創り出しながら、①を選択します。
さて、①を選択する時に、押さえておきたいことが、「要求」と「依頼」の違いです。
上司が部下に、問題となっている行動を変えるように「要求」することと、「依頼」することは同じではありません。パートナーシップという観点からみれば、異質なものと言っても過言ではないのです。
例えば、文章で表すとしたら・・・こんな感じです。
<要求>
あなたの言葉づかいが荒っぽいことで、周りはとても不快な気分になっているから、そういう荒っぽい言葉づかいはやめてほしいのよ。わかる?
<依頼>
あなたの言葉づかいが荒っぽいことで、周りはとても不快な気分になっているんだよね。わたしたとしては、あなたが伝えたいことがあっても「言葉づかいが荒っぽい」ということに他の人がひっかかってしまって、伝えたいことが伝わらないのも残念なことだし、周りの人が不快な気分になることも残念なことだなって思うと、どちらにとっても望ましくない状況だといえるから、こういう状況は回避したいのよね。だから、荒っぽい言葉づかいは訂正してもらえたらと思うのだけど、どうかしら?
「要求」は、明確に、その訂正してほしいことを「やめて」と求めているので、選択肢は「Yes」一択ですよね。「Yes」一択を突きつけようとするから(Noを言われたくないから)、それを伝えることに勇気がいったり、力や勢いが必要だったりするのでしょう。
一方の「依頼」は、文字通り頼み事ですから、「Yes」一択ではありません。「Yes」も「No」も言われる可能性はあります。だからこそ、Yesと言ってもらいたくて、背景や意図を伝え、本人の発言が、どんな影響を生んでいるとわたしが観ているのかという観点を伝え、相手に選択権を委ねています。
同じように、こちら側が「Yes」を求めていることに変わりはありませんが、相手が「No」を言えるかどうかで、相手にとってはまったく異質なのです。
で、この「依頼」のポイントは・・・長くなるので、また明日!
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