“違う意見”を潰す組織の未来
連投176日目。
パートナーシップとは、同じ方向に向かっていく人(パートナー)同士が創り出す関係性の質を象徴するものです。そのため、向かう方向が違う相手とは、どうしてもパートナーシップは組みにくくなります。
子どものいる人生を望む女性と、望まない男性では、人生に求めるものが違うので夫婦となるには難しさを伴うでしょう。
ただ、向いている方向は同じでも、そこへたどり着く行き方(アプローチ、方法、戦術など)が違う場合も、少々やりにくさがあったりしますね。
そういう部分で違う意見の人と働くのは、同じ意見の人と働くのに比べて、なにかと気を使ったり、難しさを伴うものだと感じますし、なにかと対処が必要だと考えます。
様々な組織のリーダーと会話していると、違う意見を言う人に対して、浮かんでくる対処方法は下記の3つが多いように感じます。
①こちらの意見に服従させる(意見を変えさせる)
②違う意見を潰す(意見を言わせない)
③違う意見を排除する(組織から離脱させる)
まず、①「こちらの意見に服従させる」について。
これはわかりやすいですね。違う意見を、同じ意見にさせようと、説得・説明を重ねるようなアプローチです。これはこれで、例えば相手に不足している情報や観点を見せて、「なるほど、そういうことか」と納得・理解することもあるので、一概に機能しないとも言えないアプローチですね。ただ、同じだけの情報と観点をもってもなお、一致しない(服従させられない)場合は、違うアプローチを選ぶようです。
次に、②「違う意見を潰す」について。
こちらは①のアプローチが通用しない場合に選ばれているという印象です。①との違いがわかりにくいかもしれませんが、例えば、①は説得・説明をして考え方を変えるようにするアプローチですが、②は「それは無理だから」「それは優先順位が低いだろ」「そんなことはどうでもいい」という具合に、意見を聞き流したり、軽くあしらったりするアプローチで、そう扱われた人や部署はやる気を失い、いずれ組織を離れる可能性大です。
最後に、③「違う意見を排除する」について。
こちらは、会社をクビにするというあからさまな対応はできないので、まずは部署を異動するというケースが多いですね。あるいは、昔の窓際族(これ、若い世代はわからんか^^;;;)のような形で、会社を自主的にやめるようにもっていく方向性を持っているケースもあります。
いずれにせよ、違う意見を良しとしないというコンテクストの対処が多いのです。
これからは、「これまで」にとらわれている組織は、どんどん窮地に追いやられます。これまでの考え方、慣習、やり方、方法、環境、体制・・・それが通用しなくなってきていることにも気づいて、これまでとは違う意見や発想に耳を傾けている組織体質が求められているのです。
違う意見は、自分を見せてくれる鏡です。鏡を見なくなった人は、自分の身なりが乱れていても気づきません。どんなに無様で、どんなに滑稽で、どんなにズレていても、気づく機会を失います。
違う意見を、排除するのではなく、包含する。
その先にイノベーティブな選択肢が生まれるのですから。
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記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。