強い星の探検

いま、星版画というのをやっていて、いろんな方のホロスコープチャートを見て、その人にとって強い星を選定。そこからキーワードを出して、絵を描いて版画を作る。というのをやっています。
今日はその手順をまとめてみようかな、と思いました。

チャートルーラーを見つける

画像1

このチャートを例にとってみます。
太陽と月については「ライツ」と言って、他の星とは桁違いにその人らしさを表すので、問答無用にこの2つは強い星にしてるのですが、それ以外に2惑星を選んでいます。

まず、1ハウスカスプ(アセンダントといいます)の星座は蠍座で、そのルーラー(※1)は冥王星と火星ですので、これはチャートルーラーとなり、このホロスコープのリーダー的存在です。このチャートの持ち主の性質、性格なんかはこの星で見ます。という事でこれも結構強い星。

強い星候補1
-蠍座の冥王星
-水瓶座の火星

太陽と月にアスペクトしてる星を見つける

そんで、次に太陽や月にアスペクト(関係角度)のある惑星を探します。
太陽にはまたしても「火星」がセクスタイル(60度)でアスペクトしてます。サインは違うけども海王星もほぼコンジャクション(0度)。これもアスペクトの勘定に入れます。これはオーブのゆるいセミセクスタイル(30度)と考えます。
そして、月はマイナーではありますが、冥王星とセミセクスタイル(30度)

強い星候補2
-水瓶座の火星
-蠍座の冥王星
-山羊座の海王星

ちょっと偏ってます。

エッセンシャルディグニティを考慮する

さらに、ここでエッセンシャルディグニティ、というものを考慮します。惑星は位置している星座によって元気になったり、たいして力を発揮できなかったり、元気になりすぎて失敗したりする、という考えがあり、それを「惑星の品位が良い」と言ったりします。それを表にしたものがあり、それを参考にします。(著作権的にどうなのかな〜と思ったので表は載せないですが、検索したら沢山ヒットします。)
これが、たとえば「蠍座に火星があると8点」というように、点数を付けられるようになってるので、今回のように強い星候補をあげる時は一つの指標になります。ただしこの方法は天王星、海王星、冥王星が発見される以前の方法らしく、土星までしか計算できません。

で、これをやると

-蠍座土星:0点
-射手座月:0点
-射手座水星:−3点
-射手座太陽:0点
-山羊座木星:−2点
-水瓶座金星:2点
-水瓶座火星:2点

となります。特別良い状態の星はない…て感じですが、やっぱり火星は強そうだ。ここでもう一捻り。

リセプションとアクシデンタルディグニティを考慮する

惑星同士が関係する事でその星のパワーを相互へ送りあえる、というシステムもあります。これをリセプションといいます。この辺の説明は、ややこしいので、一番下のYouTubeをみてください。(※3)

これは実は今まであんまり考慮してなかったんですが、リセプションを理解した今、ぜひ取り入れたいと思います!

で、それを取り入れた結果、

-蠍座土星:0点(+5点)
-射手座月:0点
-射手座水星:−3点(+6点)
-射手座太陽:0点(−5点)
-山羊座木星:−2点
-水瓶座金星:2点
-水瓶座火星:2点(+8点)

となります。だいぶ変わりました。
この場合は、登場回数が抜群に多い、「水瓶座火星」は満場一致で強い星に入れても良さそうです。もうひとつは「蠍座冥王星」でしょうか。「蠍座土星」も強いのですが、そもそも蠍座のルーラーが冥王星なので、ディグニテティの表にはなくとも品位は良いはずです。
カルミネート(※2)だし、ファイナルディスポジター、というルーラーを支配する惑星で見ていく方法を取る場合も、やはり冥王星に行き着きます。

導き出した星から物語を想像する

というわけで、このチャートでは

・射手座の太陽
・射手座の月
・水瓶座の火星
・蠍座の冥王星

で版画を作ろう〜という結果になります。
でも実際は、チャートを見た全体の雰囲気、印象もかなり大事にしてるので、絵になる時の要素はこれだけではなかったりします。出生時間がわからない方の場合はチャートルーラーを考慮せず、「太陽」のみを中心に見ています。

この他にも、アングル(1.4.7.10ハウスのカスプ、上記チャートだと太くなってる線)付近の星、ジョイ(ハウスで喜ぶ決まった天体があるという考え方)なんかも考慮します。

ちなみにこのチャートは私です。作るとしたらなんだろうか…
あまり家から出ない割りに、活動的な人、という印象。部屋にこもっていろんなものを沢山作ったり発信したりし続ける人ですね。家族で意見をぶつけ合う事に抵抗がない。跳ね返す力のある感じ。弾力。トランポリン。思いっきり飛んでいって見えない世界にいっちゃいそうな感じもある。
テーマは「トランポリンで幽体離脱」かなあ。
ここに何か惑星の象徴の動物や色、場所など加えていき、形にしていきます。ここからは占星術とは違う脳味噌使って頑張っております。

そんな感じで、日々作っております。勉強しながらやってるので、やり方はちょっとずつ変化してるのですが、最近こんな流れに落ち着いてきました。
しかし、いろんな方のチャート見ると、かなりの確率で「この人占い師さんかも…」という気持ちになります。少なくとも占い、かなり好きそうだ〜!と思います。自分の心理が反映されているのだと思いますが、突っ込まれないよう、緊張感を感じつつやっております。とはいえ最終的には自分の閃きに任せていますが…。

後日の追記と訂正

2021/2/7 追記:

この時のやり方から現在かなり変えています。
というのも、アクシデンタルとエッセンシャルの数字は足してはいけない!という学びが最近あったり、リセプションの理解が微妙に間違っていた事に気付いたり、そもそも「ディグニティが強い星」というものだけで、そのチャートらしさを表す絵を描くことに抵抗感が生じてきたためです。
具体的には「ディスポジター」を見つけ、惑星から惑星への力の流れ具合を確認した後、チャート自体に何度も出てくる要素をピックアップしてキーワードを出し、そこから連想する、という流れです。

例:
例えば「牡牛座の金星」が全ての支配星になった場合「喜び、満足感、豊かさ、美しい工芸作品」などがキーワードに上がり、チャート上で太陽が5室にある、とか、金星とASCルーラーがアスペクトしている、とかが出てきた場合、共通しているのは「自分の喜びを満たすことに長けている」というような特徴です。そのようなテーマをまず見つけて、そこから登場人物をハッキリさせて行くような形で落ち着いています。

注釈

※1)星座にはそれぞれ、関連づけられた天体がある。それを支配星(ルーラー)という。
※2)10ハウスカスプに最も近い星・その人の「看板」的存在の星と言われる。目立ち、注目されやすい。

※3)エッセンシャルディグニティとリセプションについてはミカミポーラさんという占い師さんの説明が面白くてわかり易いのでYouTubeでぜひどうぞ!これらの仕組みを豚汁と醤油ラーメンの煮卵に例えるという、冴え渡るトークです。占いに興味のない夫も聞いて笑っていました。おもしろい!

https://youtu.be/2-d9LfcQxc0

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