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Photo by
kazeyama_fumi
残したい
2024.10.02
ぺぎんの日記#185
「残したい」
この会話を、残したい。
真っ暗になった外。窓から見える家々の光。教室の前の方だけ電気を付けて、後ろはぼんやり暗い、夜6時30分。
あなたのその黒い目も、机の上であぐらをかくその姿も。
私の、言いかけてやめた言葉とか、あなたが私の返答を待つ間の長い沈黙とか。
2人で綱渡りをしているような、あるいはゴールを探して必死に迷路をたどっているような、そんな繊細で、集中力の要る会話。
だから多分、少ししたらこの会話の詳細は忘れてしまう。どんな話の筋をたどって、その結論に行き着いたのか。行き着く過程で、何が見えたのか。多分、難しすぎて全部忘れてしまうのだと思う。ほんの少しの、美しい記憶を残して。
それは、嫌だなって、思う。
未来の私たちに、私たちはこんな繊細な会話をしてたんだよって、伝えたい。ただの言葉や、風景の記録なんかじゃ分からない、この「会話」を、どうやったら残すことができるんだろうか。
この会話を、ただ捨ててしまうだなんて、もったいなさ過ぎる。
どうか忘れずにいたいのだ。
会話を会話のままタイムカプセルに閉じ込めて。