地上1mのグリーンカーテン
2024.5月にサボった分
ぺぎんの日記#148
「地上1mのグリーンカーテン」
学校のトイレの窓から外に顔を出してみると、屋上から何やら網のようなものが垂れ下がっているのが見える。用務員さんが作ろうとした、グリーンカーテンの残骸である。
それは春先に作られた。わざわざ屋上から網を垂らし、地上には大きい植木鉢とよく肥えた土を用意して、ホップという植物を植えたらしい。
なぜ急にグリーンカーテンなんか作ろうと思ったのか。窓がまったくないエリアにグリーンカーテンがあって意味があるのか。果たして4階建ての校舎の上まで蔓は伸びてくるのか。
色々な疑問はあったが、まぁそこまで深く気にすることもなく、今まで、そのグリーンカーテンになるであろうホップの株を見守ってきた。
しかし最近、そのグリーンカーテンがどうやら上手くいっていないようだと分かってきた。不安の3つ目「果たして4階建ての校舎の上まで蔓は伸びてくるのか」が的中。ホップの蔓は6月頃に1mくらい伸びてから、ピタリと成長を止めてしまったようだった。そして皮肉なことに、その高さでとどまりつつも、ホップは青々と、元気そうに葉を広げている。
屋上まで伸びた、蔓が巻き付く用の網と、それと対照的に、地上1mで成長をやめたホップ。さすがに1mじゃ「グリーン”カーテン”」とは呼べないよ。
グリーンカーテンがグリーンカーテンにならなかったわけ。それが北海道の気候のせいなのか、用務員さんが世話を怠ったせいなのか、日当たりが悪かったのか、そもそも屋上までっていうのが無茶だったのか、そのどれでもないのか。
理由は分からないが、まぁ…分からないままでいいんじゃないかと思う。学校に通う身の私たちとしては、地上1mで止まったグリーンカーテンの謎を、昼ご飯の会話のネタにできるのだから。むしろグリーンカーテンがしっかり成長してしまった方が、グリーンカーテンが私たちの日常会話の中に出てくる頻度は少なかったかも知れない。
学校にあるべきなのは、完璧な存在ではなくて、どこかで何かをミスったおっちょこちょいな存在なんだと思う。
地上1mのグリーンカーテンは、今日も皆に愛されている。