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お菓子は褒めると甘くなるのか

2024.05.12
ぺぎんの日記#42
「お菓子は褒めると甘くなるのか」


最近流行っているという「わたしの一番かわいいところ」という曲を、恥ずかしながら今日始めて聴いた。そして、その曲の中に一つ気になるフレーズを見つけた。これである。


わたし気付いちゃいました
毎日何十秒、褒められまくったお菓子は
他よりちょっと甘くなるって
前聞いたような
さすがにそれなんか変だけど

FRUITS ZIPPER『わたしの一番かわいいところ』の歌詞より引用


お菓子って、褒めると甘くなるんですか!?
気になってすぐに調べてみた。
「お菓子 褒める 甘くなる」

うーん。これといって目ぼしい情報が出てこない。ただ(真偽はさておいて)、実際に「植物にクラシックを聴かせて育てるとよく育つ」みたいな話はあるらしい。

個人的には、実験を行う人の予備知識が実験の結果を変えているっていう現象な気がする。
よく例で言われるのは
「2匹のネズミに全く同じ迷路を解かせたとき、『このネズミは賢い』と言われて渡されたグループのネズミは迷路を攻略し、『このネズミは馬鹿だ』と言われて渡されたグループのネズミは迷路を攻略できない」
という話。つまり実験の結果を知っている(あるいはある程度予知できる)人が実験を行うと、無意識下で都合のよい結果になるように行動してしまうということ。

だから今回のクラシック植物の話も「クラシック聴かせてたら、まぁ変わらず育つか、より成長するかのどっちかだべ」と思って実験をしたから、そういう結果になったんだよと思ってしまう。

でもそんな私でも、ここまで考えてまだ「お菓子は褒めると甘くなる」ということへの希望を捨てられずにいた。要するに私は客観的な理系アンドロイドのフリをした、バリバリの人間なのである。自分に利益がありそうなら迷信を本気で信じてみたくなる。

実験をしてみることにした。
「お菓子は褒めると甘くなるのか」

まずは予想を立てる。公平な立場から判断したいから3パターンの予想。
(i)お菓子は褒められることで自己肯定感が増し、甘くなる。
(ii)お菓子は褒められると照れちゃって自身の糖を過剰にしようするため、褒めるとむしろ甘みは落ちる。
(iii)お菓子には聴覚も脳機能も代謝も無いので変化は起きない。

まぁ一番まともな予想が(iii)だからきっと変化しないんだろうな、とか思っちゃダメだからね!その決めつけが実験の結果を「変化しなかった」にしちゃうかも知れないからね!

実験対象はスーパーで買ってきた三色団子。ぷにぷにしてて音を拾ってくれそうだからこれにした。実験に協力してくれそうな仲間がいなかったため、私が自ら声をかけ、自らの舌で検証する。

まずは対照実験として三色団子をそのまま食べる。
いつも安定の美味しさだ。

次に褒めてから食べる。
3人とも仲良しでいいね!串痛くない?すごいねいつも頑張ってて。スーパーで見たとき一目惚れしちゃったよ!丸くてかわいい!ピンクとミドリとシロってセンスあるよ!君たち、スーパーのドア付近に置かれてることもっと誇りに思ったほうが良いよ!団子って甘いし腹持ちいいし最高だよね!…。
これを約2分間、自室の机においた三色団子に向かって発し続けた。

我ながらよく褒めたと思う。
褒め疲れてハァハァと息を切らしながら団子を口にいれる。

!?!?

美味しい…。
なんかやたら美味しい。絶妙な甘さに驚く。

すごい!ほんとに美味しくなった!
興奮状態のまま、2本目の三色団子だと言うのにぺろりと食べてしまう。

食べきって、冷静になって、
…気付いてしまった。

この実験はどうやったって公平性を保てない。だって褒めてるんだもん。これから食べるお菓子が美味しいという結果を本気で肯定しているのだから、美味しくならないはずがない。
あと多分、私自身が団子を前にして「褒めなければ食べれない」という体力的にも精神的にもキツイ「待て」をくらったせいで、そのあとに出てきた三色団子という報酬に過剰に反応したのだと思う。

……。

結論:
お菓子は褒めると(実験者側の変化によって)甘くなる。

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