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告白と微妙な距離感と。

2024.06.29
ぺぎんの日記#87
「告白と微妙な距離感と。」


なんかこう、ビミョ~な距離感の人にLINEするのってキツくないですか…?

小学校を卒業して以来会っていない従兄弟のお兄ちゃんに、突然、私から連絡をしなければならない用事ができた。

以前繋いでいたLINEはスマホを変えるときに消してしまったので、母からもらった従兄弟のお兄ちゃんのLINEに文章を打ち込む。

「ご無沙汰しています」
とりあえず一行目にそれを打ち込み、あぁそういえば名前を名乗らないとと思って
「ご無沙汰しています。ぺぎんです。」
と打ち込む。LINEは下の名前そのままでやっているから別に分かるだろうとは思ったけど、一応、マナーとして。

さぁここからが問題だ。とりあえず、本題の文章も敬語で打ち込んでみる。敬語って言うか、デスマス調で書いてるだけだけど。
「ご無沙汰しています。ぺぎんです。突然の連絡ごめんなさい。実はお願いがありまして…」
きもーちカジュアルな(?)敬語を使って、堅い文章にならないように心がける。

しかし、そうして出来上がった文章を見て、なんかフクザツな気持ちになる。特に、途中に登場する「〜なのですが、〜です」の部分が気持ち悪い。これ絶対従兄弟に送るLINEじゃない。

じゃあむしろ思い切って距離感を詰めてしまおうかと思い、最初の文章からめっちゃタメで打ち直してみる。

「お久しぶり!ぺぎんだよ!突然ごめんね!実はお願いがあってさ!…」

いやこれ、久しぶりな上に「お願いをする文章」ってのが良くない。下手(したて)に出ようとすればするほど、なぜか「!」が多くなる。気まずさを紛らわすためにニッコニコで、かつ、やたら高いトーンで話す癖がLINEの文面にも出てきてしまっている。まずい…。

文面が気まずい上に、やっぱり「距離感近!」って思われそうで怖いって気持ちが強い。私は10代。従兄弟のお兄ちゃんは20代。この年代の”5年”は人格を変える。前回会った優しい従兄弟のお兄ちゃんはもう居ないのかも知れない。

このハイテンションLINEを送ったらどうリアクションされるのだろう…。いやでもデスマス調で送ったら送ったで、私が無理して連絡したみたいな、いや実際そうなんだけど、そう思われたら嫌じゃん!?

うわぁどうしよう…YouTubeの「考えすぎちゃう人」を思い出す。
頭の中でいろんな想像をグルグル回して、やっと1つの答えに行き着く。

やっぱり従兄弟のお兄ちゃんの優しさを信じよう。でもさっきの文章は流石に距離感が近すぎたから、そこからやや敬語を入れるイメージ。あえてトンマナを揃えないことで、こちらが距離感を測りそこねているのを表現する。そうすることで、次の返信で従兄弟のお兄ちゃんが設定してきた距離感でこちらも話せるという算段。

勇気を持って打ち始める。

「ご無沙汰してます!ぺぎんです。突然ごめんなさい。実はちょっとお願いがあるんだけど…」

ちなみにさっき問題だった
「〜なのですが、〜です」の部分は
「〜だけど、〜です」という国語じゃ絶対マルをもらえないような文になった。

なんとか書き切り、送信ボタンを押す。
LINEのトークの一番上に、私の打った文章が吹き出しで表示される。
送信された文章を、何度も読み返し、変なことになっていないか確認する。

よし。心臓は妙に高鳴ったまま、しかし少々の安心感を得てスマホを閉じる。あとは返信を待つのみ。

このnoteを打ちながらも、何度もトークを開いて既読が付いていないか確認している。いや告白じゃないんだから笑。落ち着けよ私。
でも、実質これも、緊張の原因は告白と同じなのかも知れない。

今まである一定の関係を築いてきた人に対して、今までと違った関係性になることを要求する。それには、いつもの距離の近い会話の言葉じゃなくて、もっと遠くから、お願いするための言葉が必要になる。友だちだった人に、メールで告白するときとかに緊張する原因の1つはきっと、トンマナがいつもと違うからだ。

私のLINEは、従兄弟のお兄ちゃんにどう受け止められるだろうか。
先程から最大音量にしているLINEの通知音は、いまだ鳴らない。

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