見出し画像

最高の透明性、透けて見えた憂鬱

韓国サムスン電子トップの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が18日、再び収監された。前大統領らへの贈賄罪に問われた差し戻し審で実刑判決を受けた。
昨年12月の最終弁論で李被告は「最高の透明性、道徳性を持つ会社にする」との誓いの言葉を口にしていた。

Crepeです。上記は日経ニュースからの抜粋です。久々にニュースに関する投稿をしようと思います。

サムスンといえば、去年の10月に会長の李健熙(イ・ゴンヒ)さんが亡くなられ、ニュースに上がってました。その後息子のジョヨンさんが会長職に就任し経営トップとなる予定でした。そんな中でのこのニュース。朴槿恵元大統領への収賄罪が有罪となり、執行猶予なしの懲役2年6月(求刑は9年)の実刑判決が言い渡されました。

これをうけてマーケットも大騒ぎ。サムスン株は前日に比べて4%程下がる局面もありました。経営トップがいなくなることへの混乱はちょっとやそっとでは解決しなさそうです。

この事件を耳にしたとき、サムスン創設者の李秉喆(イ・ビョンチョル)さんと関わりのある韓国の方から聞いた話を思い出しました。その方は世界的に有名な指導者でスポーツアスリートを始めとして政治家や事業経営者も教えを乞うほどのまさにスーパーコンサルタントです(この表現は私が勝手につけました笑)。

イ・ビョンチョルさんは事業に成功したものの、ある悩みを抱えていました。自分の生きる意味についての悩みです。これほどまでに成功した事業者であってもそのような悩みを抱くことに驚きです。様々なことへの疑問があり、24の疑問があったそうです。、当時お坊さんの教えを乞うたりしていたそうです。しかしそのお坊さんでもイ・ビョンチョルさんの悩みを解くことができず、紹介したのがその方でした。まだ有名ではなかったその方を、お坊さんがたまたま知っていたため秘書に名刺を勝手に渡しており、その方のもとにイ・ビョンチョルさんが教えを乞うたそうです。

これにて問題解決!といったらよかったのですが、実際はそうはいきませんでした。イ・ビョンチョルさんは問題は次から次へとたくさんあったのですがある一つのことが欠けていたそうです。

彼は問題ばかりで学ぼうとしなかった。私は彼に会うべきかと考えたが、結局合わなかった。

なんと、その方は会うのを断ったそうです。学ぶ姿勢から学びなおしなさいという、なんとも本質的な言葉を残して。いくら正しいこと、答えを知っていたとしても、それを相手が受け入れることができなければ結局意味がない。アスファルトの道路に種をまくようなものだとおっしゃいました。

学ぶ姿勢、受け入れる姿勢、心を開ける姿勢が本当に大事なのだなと感じました。どれだけ年をとっても、昇進しても、その姿勢だけは忘れてはいけない。せっかく答えをつかめるチャンスに出会ってもみすみす逃してしまったら意味がない。そしてその機会は二度とこないかもしれない。そんな教訓を学ばせていただきました。

今回執行猶予なしの有罪となったイ・ジェヨンさんには注意する人がいなかったのでしょうか。それともご自身がそのような人を排斥してしまっていたのでしょうか。真相はわかりませんが、自分に本当に必要なアドバイスをしてくれる人を自分の考えや固定観念で遠ざけてしまっていたとしたらいま本当に後悔していらっしゃるのではないでしょうか。

「あの時、あの人の言葉を聞いていたら…」しかし後になって分かっても、その時」にわからなければ意味がありません。いつも寛容な心をもち、時をつかむ感覚を忘れずにいること。その方が私に教えてくださったことが心深くに残りました。

#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?