フィーカしましょう!!
シェーナ(Tjena)!!みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
コロナの影響でピアカン講座の延期や活動を自粛せざるを得ない状況となり、人と会う機会もめっきり減りました。そんな中で“ズーム飲み会”が流行ったようにズームやLINEなどでビデオ通話をする機会も増えたので、これらのテクノロジーを活用して、リモートで会えないピアカウンセラーとおしゃべりしてみました。
※シェーナは、うぃーす的な感じのスウェーデン語の挨拶で、フィーカは甘いものと一緒にコーヒーを飲むスウェーデンの習慣です。ゆっくりお茶でもしながら、おしゃべりできたらと思い、引用してみました。
今回、おしゃべりしたのは、きよぴーさん(以後、敬称略)です。
【きよぴーってどんな人?】
ピアカンネームはきよぴー。三重県伊賀市(旧上野市)出身で現在、京都市で暮らしている。京都に移る前は、西宮のメインストリームにいて、その後アクスペに移籍して、現在はフリーランス。西宮から数えると一人暮らし歴は10年を超えている。以前、福岡で暮らしていたこともあり、京都や福岡は便利だけど、にぎやかすぎるのは苦手なので、自分はシティーガールよりも田舎向きだと思う。
障害は二分脊椎症で、下肢麻痺、体幹機能障害、内部疾患、膀胱直腸障害と発達障害の傾向がある。外出時は車椅子で行動していて、家・室内では車椅子を使用せずに自力で這い、移動している。膀胱直腸障害で下肢の筋力が年々、低下し重度化してきて、排便コントロールがしづらいのが悩みである。発達障害については、日々いろんなアクシデントを自発しているが、だいぶ自分で自分を理解し、対処・受容できるようにもなり、さまざまな情報などを活用したり、介助者や周りの人にサポートをもらったりしながら、生活を作っている。
学生時代を振り返ると、保育園から高校までは地元の学校に通っていて、卒業後は愛知県の職業訓練校に1年通った。出歩くところが周りにない田舎なので、車がないと通勤できないし、暮らしてもいけないから、訓練校まで迎えにくるバスで教習所に通って、卒業までに普通免許を取ることができた。訓練校を卒業した後は、ハローワークの障害者枠経由で地元の大手企業に一般就職した。配属されたのは、生産管理部門でいろんなことがあって、1年くらいで辞めることとなった。
退職した後はしばらく引きこもって、定時制高校に通い始めた。バイトをしながら、通学するのは大変だったが、年齢も性別も国籍も違う人がいて、そういう人たちの環境や想いを知ることができて、良かった。この間出会った人と結婚することになり、福岡に引っ越して、数年暮らしていたが、別れることになり、伊賀へ帰ることになった。今にして思えば、発達障害の影響でまわりの人とコミュニケーションが取れなかったり、家族との生活をうまく回せなかったりして、そういった困難さの中での傷をクリアにするのにピアカンが効果的だったと感じる。
【ピアカンとの出会いは?】
福岡で暮らしていた頃は超ひきこもりの専業主婦で、離婚問題を抱えたときにメンタルをやられ、知り合いに相談したら、ピアカンに誘ってくれて、講座を受けに行くことになった。その当時、ピアカウンセラーがずっとサポートしてくれたのが大きくて、自己開示ができてなかったところにピアカンでぱっかんとなり、自分は何だろう?自分を持ったらあかんのかな?本当の自分って?といったことを考えるようになって、障害者がいる世界でありのままの自分を表現することできた。最初は講座中に泣いて、怒ってとしていたけど、徐々にどういうことに取り組んだらいいのか、自分の中にいる傷の種類は何か、どういうことにひっかかっているのかが分かるようにもなってきた。
ただ、人の話を聞くことに困難さを感じることもあり、ついついアドバイスをしてしまいそうになる。また自分とクライアントを分けるのも難しいため、人よりも感情がひっぱられやすく、最初は話を聞くことができなかった。ついついしゃべってしまうのは発達障害の所以ではないかと思うところもあり、家族も同じ性質を持っていると気づいた。
そういったことを踏まえると、ピアカンで自分を生きるためのスタートができ、ピアカンがぶれない自分を作っていくためのツールにもなり、やればやるほどリターンがあるので、常々やっていくことが大事だと思う。
【普段何してるの?】
音楽を聞いたり、絵を描いたり、縫物をしたりしている。
病気をしてから、体質改善もあって、自分に合う食生活を考えるようになり、ちゃんと料理をするようになった。得意料理は、煮込みハンバーグ、炊き込みご飯、餃子で、切ったり、包んだりといった単調な作業がある料理を作ることが好き。
自粛中にピアカウンセラーから誘われて、オンラインピアカンを試しにやってみた。久しぶりのピアカンでリーダー体験ができたことはすごく嬉しくて、みんなと繋がってる感もあり、移動を考えなくていいので、オンラインならではのメリットもあるが、私の特性上、状況を把握して、相手への介入を試みたり、ディスチャージを受け止めたりといったことは本当にそばにいないと難しく、また画面越しから受け取れる情報が少ないなかでリーダーやカウンセラーをやるにはとてもやりづらいとも感じた。普段感じていることなどが同じこともあるので、次は同年代の女子とピアカンをしてみたい。
【今後はどうするの?】
地元で何か活動ができないかと考えている。聞くところによると地元では小規模施設がいくつか立っているから、決まったルートではなく、それぞれが働いたり、暮らしたりしていけるようになればと思う。でも、保守的なところがあって、難しそうでもあるが、本人のニーズを聞いて、道を示していけるようなことができないかと考えていて、そういったことが将来的にできるようにFacebookを活用し、人脈を広げるために交流している。
聞き手:安原美佐子
※JILピア・カウンセリング委員会ニュース2020年12月号掲載