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運動会の入場行進曲

2回にわたり、運動会のかけっこの音楽を考えてみましたが、運動会には行進曲もあります。今回は、行進曲の定番3曲について、エピソードも含め紹介をしたいと思います。

1.エルガー作曲;威風堂々
英国の作曲家エドワード・エルガーが作曲した「威風堂々(Pomp and Circumstance)」は、(日本では全然知られていないのですが)第一番から第六番(六番はエルガー未完で終わっており補筆されたもので演奏会では5番までの演奏が多いようです)までの6曲の行進曲集のことを指します。日本で『威風堂々』として知られているのは、第一曲(この曲の中間部)を指しています。この第一曲は大元の英国では「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」と呼ばれています。
 最初に、日本的にいう威風堂々(第一曲 短縮版)の映像です。サイモンラトル指揮、ベルリンフィルの野外での楽しい演奏です。

他の曲もちょっと聞いてみたという方には、威風堂々抜粋版はいかがでしょうか? #1,2,3, & 4のエッセンス抜出版です。ディズニーのファンタジアのように ドナルド・ダックと一緒に楽しくお聴きください。

この際だから、じっくり聞こうじゃないかという方には、アンドレ・プレヴィン指揮ロイヤルフィルハーモニーの演奏をお勧めします。第一番から第五番までの演奏です。

2.スーザ作曲:星条旗よ永遠なれ
元アメリカ海兵隊音楽体調のJ.F.スーザが作曲した超有名曲。一番運動会の行進曲としてよく使われていた曲だったと思います。ウィキペディアによると、この曲は1987年に「米国の公式行進曲」に制定されたそうです。ちょっと面白いのは、米国のサーカス興行ではサーカスの楽団は普通この曲を絶対に演奏しないんだそうです。なぜならば、この曲は「災害行進曲」と呼ばれ、緊急事態を示す伝統的なコードとして使われているからです。この曲が聞こえると、劇場の職員は緊急事態の発生を認識し、観客がパニックを起こさないように避難誘導することになっているそうです。サーカスで突然この曲が流れ始めたら、慌てずに逃げ出しましょう!。

それでは 佐渡裕さん&シエナ・ウインド・オーケストラ の本当に楽しい演奏です♬。

3.J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲
最後は、お正月の定番 ウィーンフィルのニューイヤーコンサートはこの曲で締めることになっています。有名なワルツ王のお父さんの作曲です。
オーストリアのヨーゼフ・ラデツキー将軍率いるオーストリア軍の勝利の感謝祭のため、新曲を依頼されたシュトラウスお父さん、ウィーンの民謡2つを取り入れて2時間で作曲。この曲の大成功以後(どちらかというと革命派だったのに) シュトラウスは文句なしに君主制支持者のレッテルを張られることになり、シュトラウスのコンサート会場は、多くの士官と「国民自衛団」の市民で埋め尽くされたらしいです…(お父さん きっと「お金がはいるからまあいいか」という感じだったんだと思います)。

それでは3人の指揮者がニューイヤーコンサート(なのでオーケストラはウェーンフィルでおんなじ)で振った演奏を並べてみます。指揮者によってだいぶ曲の感じが違ってしまうのがお判りいただけると思います。

まずはお元気だったころの小澤征爾さん。とってもゆったりとした行進曲らしい指揮ぶりです。歩くなら小澤さんの演奏がいいなぁと思います。

次は、若手と言えるのでは?デュダメルさんの演奏です。テンポは普通の早さですね。一番観客と一緒に遊んでくれていたみたい。

最後は、カルロス・クライバー 行進というよりも小走りになっちゃいそう。最初の小太鼓による伝統的なイントロ(たぶん楽譜にはないのでは?)はカット。他のお二人の指揮者は観客も指揮しておりましたが クライバーは我儘だからほとんど観客は放置状態(手拍子をどこで入れたらよいのか観客が迷っているのがよくわかります)。でもやっぱりかっこいいですね。だから観客の皆さんも多少のことは許しちゃう。結局、 我儘な指揮者が 最後の拍手を一番たくさんもらったような… 世の中何が起こるかわからない(^^♪

by こばつね

『ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。

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