見出し画像

2021年 売れっ子チャイコフスキーは大忙し!


7月18日 マリインスキー劇場 チャイコフスキー作曲「オルレアンの少女」 
 
7月12日 ミハイロフスキー劇場  チャイコフスキー作曲「オプリーチニク」 

あまり上演されることのない、チャイコフスキーのオペラですが、なぜか ほぼ同時に 新しい演出で、ペテルブルグを代表する二つの大劇場で上演をされています。チャイコフスキーと言えば「エフゲーニ・オネーギン」「スペードの女王」は人気のある演目ですのでご覧になられた方が多いのでは?と思います。でも、これらはあまりご覧になられた方はいないのではと思います。いまどちらも劇場の経営は大変に厳しいと思います。ここでマイナーなチャイコの新演出を持ってきたのは、こまった時のチャイコ頼み!ロシアでは人気のある作曲家だからなのでしょうか?

「オプリーチニク」はイワン雷帝時代の皇帝直属の親衛隊。非常に悪名が高く、ひどいことばかりをする厄介者として雷帝とともにいろいろなオペラで描かれている。例えば、リムスキー・コルサコフの「皇帝の花嫁」「プスコフの娘」プロコフィエフの「イワン雷帝」などがあります。

(部分)


(全曲)


一方、「オルレアンの少女」は ジャンヌ・ダルクのお話し。17歳の少女が霊感を受け パリを陥落させ オルレアンを包囲したイングランド軍をフランス軍を鼓舞して敗走させた。ジャンヌがフランス軍の指揮を執ることになった。
ある時、彼女は戦っていた相手の貴族レオネルに恋をしてしまう。ジャンヌの素晴らしい活躍に、彼女が悪魔と取引をしたと疑わないジャンヌの父は皆の前でジャンヌ自身が神聖で穢れがないと思うのかと問いただすのに、密かにレオネルに恋をしたジャンヌは「穢れがない」と答えられない。皆の心にも もしかしたらジャンヌは悪魔の使いなのではという懸念が湧いてきてしまう。そんなジャンヌをリオネルは守ろうとするが、ジャンヌは彼を「あなたこそ私の敵。愛によって私を破滅させた」と告げ彼の助けを拒む。
その後、二人は森の中で再会する。リオネルへの恋が深くなったジャンヌは彼と抱擁する。神への誓いを破ったジャンヌの裏切りを天の声が叱責をし、突如現れたイングランド軍にリアネルは殺され、ジャンヌは捕虜となり魔術使いとして火刑に処せられる。「天はお前を待っています」という天使の声のなか炎が燃え上がり、ジャンヌは天に召されていった。

ロシアでは、春と夏と秋が一度に来たようなすごいことになっていると思いますが、この夏の夜長に ちょっとマイナーな作品を鑑賞してみませんか?

By こばつね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?