ワーグナー音楽へのいざない 舞台神聖祝祭劇「パルジファル」
暑い夏がやってきました。夏の音楽祭で(ワグネリアンの間で)有名なのが、バイロイト音楽祭です。ドイツのメルケルさんも毎年行かれているというという音楽祭なのですが、そこで演じられるものはワーグナーの作品です。なぜならば、ワーグナーの作品を演奏するために建設されたバイロイト祝祭劇場を用いた音楽祭だから。まあ、ドイツのしかも通常はなかなかチケットが手に入らない音楽祭、しかもまだコロナの戦いの最中なので、出かけていこうという方は少ないと思いますので 今回はワーグナー最後のオペラ(楽劇)の『パルシファル』を紹介します。
この作品の一番の特徴は、とにかく長い。1幕などは2時間を超えます。ワーグナー大好きの(いつも素晴らしワーグナー音楽を引き出してくれるので、「彼は絶対にワーグナー音楽が大好きに違いない」と私は密かに、勝手に思い込んでいます。)ロシアの指揮者、ゲルギエフが本拠地のマリインスキー劇場でこの曲を指揮する時には、その日のうちには帰れないと覚悟をして見に行ったものです。というのは、終演時間が普通に午前0時を回ってしまうからです…。他にも、このオペラでは、「カーテンコール(拍手)をしてはいけない」という伝説があり、実際に一幕が終わった後に拍手をすると周囲の人から「君は なんという田舎者なんだ!」というような白い目で見られることがありました(特に前世紀末の日本で)。
しかも、あまり聞きなれていない方が、このオペラを見ると ただ単に音楽がうねうねと果てしなく続き ちょっとでもウトウトとすると自分がどこにいるかわからなくなってしまうという事故がよく起こります。なので、睡眠時間をしっかりと確保し、体調を整え、姿勢を正して聞かないといけないと思い込んでいる 素晴らしい方々が結構いらっしゃいます。
ただ、ワーグナーの音楽はちょっと癖があるだけなので、そこをちょこっと理解してから聞くと途端にハードルが下がってきて楽しむことができるように思います。
その重要なツールがライトモチーフ(示導動機)です。ライトモチーフは簡単に言うと、キャラクターのテーマソングみたいなもの。有名なのは、スター・ウォーズのダースベーダが登場する時に、映画館の中に彼のテーマソングが流れます。これが、ライト・モチーフです。ワーグナー音楽(特に指輪以降)は ライト・モチーフをつなげあわせてオペラを語っていくことが多いです。音楽を聴くだけで、大まかな劇の進行まで理解できてしまう。
指揮者の飯守泰次郎さんがピアノで、パルシファルの主要なライトモチーフを解説してくれています。とても分かりやすいですので紹介をさせていただきたいと思います。
以下はちょうど飯守さんが取り上げていたフィナーレ部分の動画です。残念ながら字幕はありませんが何となくどういう場面か想像ができませんか?
次は日本語字幕付きです
ちょっと気合十分の方は全曲いかがでしょうか?
1998年シノーポリ指揮バイロイト音楽祭
25日の芸術講座 「劇場へ行こう」オペラ編でもこのオペラを取り上げます(^^♪
暑い夏、ながーいワーグナーのオペラを聴きながら、人生を考えるのもよし、深い眠りに落ちて夏バテを解消するもよし、ぜひチャレンジしてみてください。
By こばつね
『ペテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。
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