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一杯のコーヒーから
毎日のスタートは、一杯のコーヒーから、という人は多いのではないでしょうか。
かく言う私もその一人です。
マシンを使って粉から淹れていたこともありましたが、今はインスタントです。
冬になってからは、石油ストーブでお湯を沸かしています。
石油ストーブは、光熱費の節約ということもあり、ピンポイントで暖をとりたいときに備えて物置から出してきています。
豆を炒ったり、ミルで引いたり、コーヒーメーカーやサイフォンを使ってコーヒーを飲む時間は憧れではありますが、よほど偏った風味ではない限り、今の自分にはせいぜいドリップパックかインスタントで十分のようです。
ただ、ストーブに火をつけること、お湯が沸くまでの間に冷えた部屋の中で手を息で温めたりストーブに手をかざしたりしながら待つこと、やかんのお湯が沸いたときの音の変化聞くこと、たったこれだけの流れですが、自分にとっては心地いい時間となっています。
私が言うのもおこがましいのですが、コーヒーが好きな人にとっては、飲むことはもちろん、飲むまでの一連の作業を大切にしているのだろうと思います。
義理の母のところに、義理の母の妹が数名のアフリカの方々を連れてやって来ました。
義理の母の妹は、外国の方々を招いて日本の文化を紹介するボランティアをしており、その日はもう行くところがなく行き先に困ったため、義理の母のところにお連れしたとのことでした。
あまりに突然のことで、お茶菓子も何もなかったため、義理の母は、とりあえず目の前にあったインスタントコーヒーをお出ししたそうです。
その瞬間、アフリカの方々の顔が驚きの表情に変わったとのこと。
コーヒーを飲もうと思ったら、遠くまで水を汲みに行かなくてはならない。そして、豆を炒ったりお湯を沸かすために、火を起こさなくてはならない。
その時間が一瞬にしてコーヒーになったことに驚いていたとのことでした。
アフリカの方々からすれば、まるで手品のような光景だったのかもしれません。
私たちにとって、インスタントコーヒーを含めインスタント食品はあたりまえです。
しかし、インスタントになるまでの工程を知ったり見たりしたら、私たちも同じようにきっと驚くことがたくさんさんあるでしょう。
そういえば、馴染みの喫茶店の冬のコーヒーは、薪ストーブで沸かしたお湯を使う一手間。
今朝も私は、冷たい手をストーブにかざしながらお湯が沸くのを待っています。
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