雇われ院長が考える分院展開の難しさ(1)
2極化する患者のインサイト
患者が小児科クリニックに求めているものは、➀親身に話を聞いてくれて対応してくれる身近なかかりつけ的存在と②気楽にいつでも診てくれるコンビニ的存在に2極化しています。こういった傾向は昔からあり、コロナ前まではコンビニ的なニーズ、コロナ禍では不安によりそうようなかかりつけニーズ、そしてポストコロナの多様な感染症の流行により再度コンビニ的なニーズが優勢になってきているという状況です。
コンビニ的なニーズに対応するのは、経営に熟達した人材を抱える大手法人の方が得意であり、適切に仕組み化された運営の中で多院展開を可能にしていると推察されます。
分院展開するには進む道を決めなければならない!
分院展開を考える際に、できるだけ集患を見込めるようなコンビニ的な方向性でいくか、あるいは患者のロイヤルティーを高めていく形でかかりつけ医としての役割を強化していくかを選択する必要があります。
保険診療において1回あたりの患者の単価は変わりませんので、この選択は、収益を上げる方向として➀患者数をこなしていくか ②来院回数を増やしていくか?と選択に他なりません。
どちらの選択をするかで、KSF(Key success factor)は異なる。
どちらかを選択するかで、KSFは大きく異なってきます。これには、単に仕組み化やマーケティングといった小手先の技術に限らない、専門職である医療者を雇う上での独特な人的リソースのマネジメントも関わってきます。
次回は、小児科クリニックの分院展開の成功のためのKSFについて述べたいと思います。