「7歳までのお守りブック」「10歳からのお守りブック」西野博之さんの著書紹介
今日も本の紹介をしたいと思います。
西野博之さんは川崎市子ども夢パークの所長であり、フリースペースえんの代表をいらっしゃる方です。
この2冊の本の何がいいかというと
何しろ目線が優しい
読んだ後、ほっこりするし、場合によって暖かい涙がでる。
子どもの生きづらさに寄り添いつつも、親を責めない。
親の抱える生きづらさまでも包み込む慈愛にあふれています。
もともとは不登校の子どもたちの居場所づくりからキャリアをスタートされました。
講演会私も一度聴きに行ったのですが、かなり壮絶な体験をされています。
子どもの生きるか死ぬかの瀬戸際で子どもたちに寄り添っていらっしゃったのだなあ。
実際、助けられなかった経験もされていたり・・・話を聴いているだけで、胸が締め付けられるようなお話でした。
この本はそんな西野さんが
子どもと親にニコニコ生きていることがすばらしい・・・と毎日感じてほしいとの願いが根底にある
とっても明るい本です。
エッセー風でとても読みやすい。難しいことは一切書いてないので、本当にさらっと読めます。
さらっと読んで、私は何度も読み返して、さらっと書いてあることの深い深い意味をかみしめたりしています。
「7歳までの・・・」の最後に記載されている部分はこんなんです。
<きっと、だいじょうぶ>
「なんでも、できないよりできたほうがいい」そう思う気持ちはわかるんです。
人生を豊かにするために、情報を提供し、感性やスキルを身につけさせてあげたい。早いうちから可能性を引き出してあげたい。
でも同時に「できないことや苦手なことがあるために、傷ついたり嫌な目にあったらかわいそう」そういう気持ちもありますね。
これに限らず「まだ小さいのに悲しい目にあったらかわいそう」って思いませんか?
子どもが悲しい思いをしたら親の責任、親の罪、みたいに感じていませんか?
でも、小さい子供でも、悲しみを受け止める力はもっているんです。小さいからそんな力がないと思うのは子どもに対して失礼です。
親にできるのは、子どもの悲しみを限りなくゼロにしようとすることじゃなくて、悲しんでいる子どもに寄り添い、その悲しみを受け止めてあげること。
目の前の子ども、生まれながらにして、生きる力をもっているとをまるごと信じる。親にできるのは命の幹を枯らさないこと。
「10歳からの・・・」では思春期の子どもの対応、不登校などもからめた話が展開します
少し引用してみます。
親の「よかれ」で誘導しないで本人のゆらぎに寄り添いながら自己決定を助けましょう
子どもに思いをよせるだけで子どもはちゃんと自分で動き出す
彼らが自分の気持ちを整理するために、親はスポンジみたいに吸収したり、はじき返して自分で考えるきっかけをになるようなメッセージを返していく
その時「世間では・・・」ではなく「私メッセージ」「私の考え・言葉」が大事
親は答えを出してあげたり、導いてあげようなんて考えない。
しょうもない話をちゃんと聞く。話しやすい環境をつくる。
「どうでもいい話は聞こうとしない関係」だと子どもはいざというとき親に相談しようと思わない
親が興味のない話を通じて子どもは自分の気持ちの一端を伝えたいのかも、コミュニケーションで安心したいのかも
子どものことをわかりたければ、「子どもが話したいことを話したいように話す」場づくりをして聴く
イライラや荒れを気にとめつつも、「これは子どもの問題、私の問題じゃない」と自分の立ち位置からみる
子どもの言動にかちーんときたら自分のものさしを疑ってみる
善悪・不快・許せないという気持ちは「自分の中のどのものさしを使って感じているのか?怒っているのか」
そして、自分の中の問題を探ってみる。夫婦関係・親との関係が子どもとの関係に重なっているのかも?
親となった自分をケアしていくとよい
ほんの一部ですが
どれをとってもとてつもない経験からくる、深い言葉です。
読みたびに気が付くことが違っていて
本当に「お守りブック」だなあと感じます。
ぜひ一家に2冊セットで「お守りブック」を・・・・