絵本「くんちゃんのだいりょこう」から知る親の見守る姿勢
くんちゃんのだいりょこうを紹介しますね
ドロシー・マリノ文・絵 石井桃子訳
くまのくんちゃんは冬に鳥が南の島へ渡っていくことを知ります。
南の国ってどこ?ぼくもいっていい?と鳥に聞きますが
「あなたは飛べないでしょ。あるいていかなくちゃ」と言われます。
くまの母さんにくんちゃんは「僕も南の国に行ってもいい?」と聞きます。
「とりは暖かいところにわたっていき、くまは冬は眠るのです」と言われます。
「僕、一度だけ行ってみたい。わたって行ってもいい?」とくちゃんは食い下がります。
すると父さんは「やらせてみなさい」というのです。
「何をばかなことを言ってるんだ!!」と叱り飛ばすことなく「やってみなさい」なんて
父さんの人間の幅のひろいこと!!!
くんちゃんは旅にでようとするのですが、いろいろ足りないものに気が付いて何回も家に戻ってきます。
水筒に双眼鏡に釣り竿に麦わら帽子にいろいろなものをそろえていざ行けるか・・・となるととっても疲れて眠くなるのです。
「ぼく、旅行に出る前に、うちへ帰って少しやすんでこよう」と言いながら家に帰り冬眠に入ります。
寝ているくんちゃんをみてお父さんは「くんちゃんが帰ってきたようだね」
母さんは「かえってきました。みなみにはわたっていかないと思いますよ」と言います。
最後にお父さんが「なに、くんちゃんはこれから冬中ぐっすり眠るよ」と言い物語が終わります。
子どものやりたい気持ちをしっかり受け取る父さんぐま、それを少し心配そうに見守る母さんぐまという家族に囲まれて
くんちゃんは自分の「わきあがるやりたい気持ち」は表現していいのだ。自分は自分でいいのだ。という自分を承認する気持ちが暖かくはぐぐまれるような気がします。
つい「正しいことはいいことだ」「きちんと正しいことを子どもにおしえなければならない」などの思い込みがあると。
子どもが間違わないように先回りしてしまいがち
自分でやってみてはじめてわかる。
自分でやるから納得できる。
これをわかって、子どもと相対すると対応が変わってくるような気がします。
絵本って深いな~~
絵も素朴でかわいいからamazonぽちか?図書館で借りてみて~