裸足でスニーカーを履いたせいだ
北に八分と西に七分、それぞれ歩いたところに別の薬局が存在し、俺はいつも北の薬局に向かう。北の薬局に向かうためには二本の細道を通る必要があり、どちらも両端から埋めていったために微妙に辻褄が合わず発生してしまったような偶然性が印象としてある。俺はこれをひどく好んでいた。両側には恐ろしく高い塀やところどころ塗り漏れのある白いフェンスなどでちぐはぐに覆われていて、なんだか隠された抜け穴のようだった。隣接する平屋のベランダ越しに妙に生暖かい風が流れ出ている場所や、人の気配がしないコン