ジョンスター常務(みんなからはJOJOって呼ばれてる)

小児科,小児循環器を専門にしています。

ジョンスター常務(みんなからはJOJOって呼ばれてる)

小児科,小児循環器を専門にしています。

最近の記事

先天性心疾患の入口① 病名の付け方

小児科医に限らず,子どもに関わる多くの医療者にとって,先天性心疾患の病名は…ハッキリ言って,呪文ですよね。 カルテに VSD, PA, MAPCA, ARSCA, PLSVC と書かれているのをタッカラプトポッポルンガプピリットパロと読んでも,殆どの人は違いに気づきません。 専門外の方々は,無難に小児循環器医に質問しましょう。 しかし,小児循環器医を志し,この世界の入口に立ったとき… この病名付けが,壁として立ちはだかるのです。 Nomenclature(命名法,用語体系

    • 学校心臓検診③ 【不完全右脚ブロック】

      不完全右脚ブロックの定義心臓の電気の通り道は,His束の先で左右に分かれますが,この右側を右脚(うきゃく)と言います。 この伝導に問題があると,電気信号が予定のタイミングで右室に届けられず,他の通り道から回り道してきた電気が「右室をあとから刺激する」ために,12誘導心電図におけるV1誘導で,2つの山(RSR' patternと言います)が認められます。 不完全か完全かは,このQRS複合体の持続時間が120msecあるかないかで分かれます。 右脚ブロックの波形は,工事のため通

      • 学校心臓検診②【上室期外収縮】

        前回は「心室期外収縮」についてまとめてみました。 今回は「上室期外収縮」です。 上室期外収縮と学校心臓検診,学校生活学校心臓検診(1次検診)では,上室期外収縮は必ずしもすべてが抽出が必須ではありません。 具体的には「連発せず,たくさん出ない,無症状」であれば,検診医は上室期外収縮を見つけても,2次検診には回さなくてよいことになっています。 2次検診に回った場合,期外収縮が多い場合にはホルター心電図で丸1日の頻度を確認したり,運動負荷心電図で頻度が減るかを確認し,学校生活管理

        • 学校心臓検診①【心室期外収縮】

          学校心臓検診の概要日本では,小学1年生,中学1年生,高校1年生で学校心臓検診(1次検診)があり,次の3つのチェックを行っています。 ・調査票(保護者が記載) ・学校医の診察 ・心電図 検診の目的は「もしかしたら異常があるかもしれない」人を,できるだけ漏れなく見つけ出すことです。 医学用語では"感度を高く"などと表現されますが,「大丈夫だと思うんだけど,念のためね~」という所見も拾い上げて,病院・クリニックでの検査(2次検診)に繋げます。 なお,筆者は現在,北海道で仕事をして