ジファミラスト1%とデルゴシチニブ0.5%は、費用対効果に差はあるか?|2024年11月20日
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アトピー性皮膚炎の新規抗炎症外用薬ジファミラストは、ステロイド外用薬に替わる、子どもも使える安全な選択肢として期待される。
■ アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、慢性的な皮膚の病気です。
■ かゆみや湿疹だけでなく、睡眠障害やストレスなども引き起こし、患者さんの生活に大きな影響を与えます。
■ ステロイド外用薬は、長期に同じ場所に使い続けると副作用の懸念が大きくなるため、より安全で効果的な新しい薬が求められていました。
■ 2021年以降、小児でも使用できる新規抗炎症薬が使用できるようになり、そのうちの一つが外用PDE4阻害薬ジファミラストです。
■ しかし、他剤との比較は不十分でした。
■ そのようななか、治療にかかる費用と効果のバランスについての報告がありました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
中等度から重度のアトピー性皮膚炎を持つ日本人成人患者を対象に、ジファミラスト1%とデルゴシチニブ0.5%、プラセボとの費用対効果を1年間にわたり比較検討した。
✅️ジファミラスト1%の1年間の総治療費は758,967円で、デルゴシチニブ0.5%の747,515円と比較してわずか11,452円の差だった。
【簡単な解説】 新薬を使った場合の1年間の医療費(薬代、診察料、検査代など)は約76万円で、既存薬を使った場合と比べて約1万円しか変わらないことがわかった。
✅️質調整生存年(QALY)において、ジファミラスト1%は0.79 QALY、デルゴシチニブ0.5%は0.77 QALYを示し、増分費用効果比(ICER)は827,054円/QALYと算出され、日本の支払意思額の閾値である500万円/QALYを大きく下回った。
【簡単な解説】 ジファミラストはデルゴシチニブと比べて、患者の生活の質をわずかに改善し(0.02ポイント)、その改善に必要な追加費用(約83万円)は、日本の医療制度が許容できる金額(500万円)を大幅に下回っていることがわかった。
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
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