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アトピー性皮膚炎に対し、デュピルマブの有効性が高い患者像とは?|2024年10月26日
■ ブログで公開した内容の深掘りです。
( 本記事は、メンバーシップ(スタンダード・アドバンス)の記事です。メンバーシップの概要は、こちらをご参照くださいm(_ _)m)
アトピー性皮膚炎の新薬デュピルマブ。多くの患者に効果があるものの、効果の予測因子を探る研究が進んでいます。
■ アトピー性皮膚炎は、遺伝子や免疫システム、皮膚のバリア機能、細菌叢、環境要因など、様々な要因が複雑に絡み合って起こる慢性的な皮膚の病気です。
■ 最近の研究では、アトピー性皮膚炎に9.2%がかかっていて、特に5歳未満の小さな子どもでは16.3%と多いことがわかっています。アトピー性皮膚炎の患者さんは、強いかゆみと繰り返す湿疹に悩まされます。特に重症の患者さんでは、96%もの方が日常生活に大きな影響があると答えています。
■ 基本的な治療は、外用薬(ステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬)によりますが、症状が中程度以上の患者の場合は、全身治療が必要になることがあります。
■ 広く使われるようになっているのが、バイオ製剤の一つデュピルマブであす。投与開始40週間で約70%の患者に効果が見られるという報告があります。
Kamata M, Tada Y. A Literature Review of Real-World Effectiveness and Safety of Dupilumab for Atopic Dermatitis. JID Innovations 2021; 1:100042.
■ しかし逆に言うと、30%程度の患者には十分な効果が得られていないということでもあります。
■ では、どういう患者さんにデュピルマブが効きやすいのでしょうか?最近、メタアナリシスが報告されました。
この論文でわかったことをざっくりまとめると?
中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者5,575例を対象に、デュピルマブ投与の効果を12-16週間にわたって評価した21研究を系統的にレビューした。
✅️ デュピルマブの治療効果が高かった因子として、女性、年齢が低い、アレルギー性鼻炎がないこと、体格指数(BMI)が低いこと、血液中好酸球数が少ないことの5つが特定された。
【簡単な解説】
・治療効果が高かった人の特徴が5つ見つかりました。女性、若い人、アレルギー性鼻炎がない人、痩せ型の人、血液検査で好酸球という細胞が少ない人。
✅️ 一方、発症年齢、治療開始時の皮膚症状の重症度、アレルギーの指標となるIgE値、血清LDH値は、治療効果との関連が認められなかった。
【簡単な解説】一方で、以下の項目は治療効果と関係がありませんでした。いつアトピーが始まったか、治療前の症状の重さ、アレルギーの血液検査の値、組織の炎症を示すLDHという検査値
以下は、論文の解説と管理人の感想です。
※オープンアクセスの文献ではないので、Figureは引用しておりません。
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