デュピルマブ使用中の顔の湿疹病変にはタクロリムス軟膏?|2024年6月17日
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デュピルマブは、重症のアトピー性皮膚炎をおおきく改善する効果があり、小児にも使用できる新しい薬です。しかし、顔や首の症状には効果が見られないことがあります。
■ アトピー性皮膚炎(AD)は、かゆみを伴う慢性の皮膚疾患です。
■ 再発し易い湿疹病変が特徴で、患者の生活の質を著しく損ないます。
■ アトピー性皮膚炎は、すべての皮膚疾患のなかでも負担が大きい疾患なのです。
■ そのようななか、全身投与の薬剤が増えてきて、小児でもデュピルマブ(デュピクセント)が使用できるようになってきました。
■ デュピルマブは、抗インターロイキン(IL)-4受容体α抗体で、主にIL-4、IL-13、両方のサイトカインという情報伝達物質をブロックする生物学的(バイオ)製剤です。
■ 小児に関しても、そして重症であっても、アトピー性皮膚炎の重症度スコアを75%改善させる(ほぼきれいと言っていいと思います)率が約半数という報告があります。個人的には、スキンケアも丁寧に併用することで、もっと効果が高いと思っています。
■ しかしデュピルマブは、体幹や四肢に有効性が高いものの、顔や首には改善が見られないことがあることが知られています。
■ たとえば、Zhuらの報告によると、デュピルマブ療法を受けた73人の患者のうち、14人(19.2%)が顔に新たな湿疹病変を発症したと報告しています 。
Zhu GA, Chen JK, Chiou A, Ko J, Honari G. Assessment of the devel-opment of new regional dermatoses in patients treated for atopicdermatitis with dupilumab. JAMA Dermatol. 2019;155(7):850–2.
■ これらの顔の病変はデュピルマブ治療中にさえ発症し、ステロイド外用薬で十分効果が出ない場合があり、難渋することもあります。
■ 最近、日本からの成人のアトピー性皮膚炎に対する報告で、デュピルマブ治療中にステロイド外用薬に抵抗性のある顔の湿疹病変がある9人に対し、タクロリムス軟膏が有効であったという報告がありました。
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